...私は物陰でじっとしているのが精一杯だった...
東健而訳 大久保ゆう改訳 「瀕死の探偵」
...お陰で退屈なしに山上の天狗の湯まで辿りつくことができました...
上村松園 「山の湯の旅」
...夫人(おくさま)も余り途方もないのに呆れ返つて馬鹿に附ける薬は無いと陰で仰しやつたとも当人知らずに其後是非とも御批評を願ひますと色好い返事を催促する意(つもり)で手紙をよこした...
内田魯庵 「犬物語」
...「畜生! お前らに掴まってたまるかい」僕は建物の陰で拳をにぎり...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...こんなに陰で私を待っていた人もあったのだ...
太宰治 「新樹の言葉」
...言葉もわからぬ異郷でいたいけな日本の子供が苦労しているのを哀れに思った鉱山主のお陰で...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...皆で陰でこそこそやりながら...
豊島与志雄 「好意」
...お陰で今日まで、無事に生き延びた』――と、本人のお葉が言ふんです」「フーム、そんな事があつたのかえ、――少しも知らずにゐたが」「さう言はれると極りが惡いが」「人を助けて、默つてゐるのは、出來ないことだよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ほんとうに人がいないかどうかを扉の陰で偵察させた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...「貴方のお陰で私はほら自由で楽しい身分に戻れたわ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...泥棒だし……」開放扉の陰でメイが言った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...それから薄暗い横町の電柱の陰では鍔(つば)の垂(た)れた帽子で目隠しをしたヴァヰオリン弾(ひき)の唄売りなど...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...全くこの三角同盟のお陰である...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...弁護する人等のお陰で...
柳宗悦 「日本民藝館について」
...陰ではのべつごそごそしていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...「こちらにおいでか」妻に導かれていま濡縁へ上がって来た子の声がその陰でする...
吉川英治 「新書太閤記」
...しかもすこしも明慧説を陰で誹謗(ひぼう)するようなこともなく...
吉川英治 「親鸞」
...先生は親切を陰でする...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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