...藝術を除いて何處に此の如く一切を歡喜に變じ得るものがあるか――彼等の云はんと欲するところは恐らくかうである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...彼(かれ)はニキタを除(のぞ)くの外(ほか)は...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...昨年の春、えい、幸福クラブ、除名するなら、するがよい、熊の月の輪のような赤い傷跡をつけて、そうして、一年後のきょうも尚(なお)、一杯ビイル呑んで、上気すれば、縄目が、ありあり浮んで来る、そのような死にそこないの友人のために、井伏鱒二氏、檀一雄氏、それに地平も加えて三人、私の実兄を神田淡路町の宿屋に訪れ、もう一箇年、お金くださいと、たのんで呉れた...
太宰治 「喝采」
...着物と一しょにすべての気取りを除去したあとの赤裸々さと...
谷譲次 「踊る地平線」
...眼前の目的とする原因のみを特に作用させ他の要素は出来得る限りこれを除き...
寺田寅彦 「物理学実験の教授について」
...それからチャップリンの「街の灯」も銅像の除幕式から始まっている...
戸坂潤 「社会時評」
...引廻してあつた幔幕が取り除かれる頃やうやく木戸口はすいて來た...
長塚節 「撃劍興行」
...「――――」筵をハネ除けて起上(おきあが)ったのは...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...蛇足(だそく)の説明を除こうとしたからである...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...掃除をすっぽかして横になる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...大人三人前を一手に引うけて鼻歌交り遣つて除(の)ける腕を見るもの...
樋口一葉 「わかれ道」
...植物学者かあるいは学校で教えられた学生かを除くのほかは...
牧野富太郎 「植物知識」
...「小烏丸」の急所急所は除けて喋っている...
正岡容 「小説 圓朝」
...しかし妨げを除去するというのは...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...じゃまになる車は皆除(の)けさせた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...殿様は除目(じもく)にお携わりになったあとで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...煎餅布団をハネ除(の)けハネ除(の)け苦しがる...
夢野久作 「近世快人伝」
...少数の例を除いては各曲共に二三十の同型の節で満たされていると云っていい...
夢野久作 「能とは何か」
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