...其の時氣がつく限りは默つて通る氣にはなれない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...大塚匠作(おおつかしょうさく)父子の孤忠および芳流閣の終曲として余情嫋々(じょうじょう)たる限りなき詩趣がある...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...あの屍体に関する限り...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...雜木が薪炭とならぬ限りは...
大町桂月 「赤城山」
...透き徹(とお)るような鼻でしょう! 余程の名工が拵(こしら)えた人形か何かでない限り...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...大衆の無意識的な文化的要求の解説者で代弁者であることを委任された限りのインテリゲンチャの立場から...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...この建築全体の法式はつまり人間の有する敬虔崇拝の感情を出来得べき限りの最高度まで興奮させようと企てたものでしかも立派にその目的に成功した大(だい)なる美術的傑作品である...
永井荷風 「霊廟」
...それと、もう一つ――駒井をして、この自家創造の船というものに、限りなき希望と、精神とを、打込ませるように仕向けているのは、見えない時勢と、人情との力が、背後から、強く彼を圧しているのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...自然的生が基體をなす限りにおいてのみ...
波多野精一 「時と永遠」
...私の知つてゐる限りの大きな樂しみのひとつでございました...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...隆造は出来得る限りの技巧を弄して様々な手段を考へたが...
牧野信一 「白明」
...スタンブール種の女が命ずる限りにおける人民の友――もっともこいつは(バイロン卿はぐっとおくびを噛み殺した)われ/\の胃の腑からより跨くらのやつの命令だがね僕の名は...
槇村浩 「長詩」
...俳句には全く夏に限りたる語とし...
正岡子規 「俳諧大要」
...さもない限り若い大根時代すら...
三宅周太郎 「中村梅玉論」
...むしろ限りなく高いところ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...或は又一村限りで...
柳田國男 「祭のさまざま」
...私の感じ得られることは、出来得る限り、感じてしまった...
横光利一 「欧洲紀行」
...見はるかす限りの野も山も今わの慰めにもならなければ頼みともならなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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