...私念(わたくし)といふ陋劣(さもし)い心があればこそ...
石川啄木 「赤痢」
...却ってその陋劣手段に反感を抱いて政府攻撃へ廻った者もいる...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その陋劣に憤慨していた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...陋劣(ろうれつ)に對(たい)しては厭惡(えんを)の情(じやう)を以(もつ)て答(こた)へてゐるです...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...「出て下さい……スグに出て! 紳士のくせに鍵を破ってはいって来るなんて! 何という見下げ果てた!陋劣(ろうれつ)な……」舌打ちしながら妻は両手で飛び付くように呼鈴を押した...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...今日もまた陋劣なことをやってのけた...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...それは蜃気楼だ、陋劣な空想だ、穢らわしいロマンチックな夢だ、――例のコモ湖畔の舞踏会と変わりはありゃしない...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...陋劣(ろうれつ)不名誉なる刑場であった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...なんという忌わしいことでしょう! こうした陋劣と虚偽が暴露される時が...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...だからあらゆる陋劣な行いは赦しても...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...最も単純な道徳的要求を蹂躙する陋劣な行為であるがために...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...演藝野卑陋劣観るに堪えず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...焼直しというほどに陋劣(ろうれつ)なるものでもあるまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...教育者として漫りに金錢に拘泥することの陋劣なるを痛罵した時に...
長塚節 「教師」
...私は到底陋劣である...
長塚節 「隣室の客」
...私の陋劣な手段は私の噂を葬つてしまつた...
長塚節 「隣室の客」
...学問の根底たる立脚地を離るるのを深く陋劣(ろうれつ)と心得た...
夏目漱石 「野分」
...「資本家を倒すのは人類のためだ」と揚言しながら「実はおれ自身のためだ」というさもしい欲求――「労働運動は多数を恃(たの)む卑怯者の群れだ」と罵倒しながら「おれの儲け処が貴様達にわかるものか」という陋劣(ろうれつ)な本心――「多数党如何に横暴なりとも正義が許さぬぞ」という物欲しさ――「本大臣は充分責任を負うております」という不誠意――どれもこれもその云う口の下からの鼻の表現に依って値打ちは付けられて...
夢野久作 「鼻の表現」
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