...いやいや、もう今となっては、そんな生ぬるいことじゃありません、お前という人は、どうしても、わたしの命令に絶対服従から免れることじゃないのよ、友さん、わたしは、お前が好きで好きでたまらなくなった」「馬鹿、畜生、阿魔、そんなことが聞いていられるか! どうするか見やあがれ」「どうともしてごらん、煮るとも焼くとも、横にするとも縦にするとも、わたしの身体(からだ)を今晩は友さんに、そっくり上げるわ、好き自由に、いいようにして頂戴」「うむ――」「まあ、あつらえたように、そこに蒲団(ふとん)も枕も出してあるわ、あのお雪さんていう子、なんて粋(すい)の通る子でしょう」「ちぇッ、どうするか見やあがれ、このかってえ坊!」と米友が怒罵して、ぐっと炉辺に仁王立ちになって再び叫びました、「かってえ坊!」おそらくこれが悪罵の頂上でしょう、馬鹿と言い、畜生と言い、阿魔と言い、いずれにしても人に快感を与えるものではない、他を辱(はずか)しめると共に、自らを辱しめずには置かない非紳士的の悪態ではあるけれども、それは尋常人も、どうかすると沸騰的に使用することもあるが、かってえ坊に至っては――もう頂上であり、極度であって、折助、夜鷹の類(たぐい)といえども、滅多に口にすることを恥づる冒涜(ぼうとく)の言を、米友が弄(ろう)しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...福松の阿魔だがなア...
中里介山 「大菩薩峠」
...お松の阿魔(あま)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お吉の阿魔、すっかり喜んで後ろを振り向いても見ねえ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...素々お徳の阿魔(あま)の仕業で俺の知つたことぢやねえ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今頃は無事じゃ済まないよ」「お曾与の阿魔(あま)が殺されたんですってね...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...太てえ阿魔(あま)だ」平次は日頃にない亂暴な口をきいて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...太(ふて)え阿魔だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お栄の阿魔に定吉かな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親分」「みんなお栄の阿魔の細工だ――が医者は自分の身内の者の脈を取らないように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...助手(すけべい)で強情で」「臺無しぢやないか」「姪のお國は浮氣で鐵火で」「敬吉との仲は?」「お國の阿魔は人形喰ひだから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...伊三の野郎と一緒に住んでゐるお絹の阿魔が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お種の阿魔(あま)は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...弥八 お蔦の阿魔か...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...ひでえ阿魔さ……気の良い留が三十五号船にいるのを探し出して...
山本周五郎 「留さんとその女」
...尻を捲(まく)って痣があるかないか見せろってんでやす」「はっきりした阿魔だな...
山本周五郎 「ゆうれい貸屋」
...そんなふてえ阿魔なら...
山本周五郎 「ゆうれい貸屋」
...丸め込むキッカケを作っておこうぐらいの考えで……大変な阿魔(あま)ッチョだぞ...
夢野久作 「鉄鎚」
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