...宇宙の上に開いてゐるその大きな門の閾を私が跨いだ刹那...
アポリネエル Guillaume Apollinaire 堀辰雄訳 「青い眼」
...たうとう私達は盛り花のしてあるやうな家の閾をまたいだ...
有島武郎 「骨」
...閾の上に腰掛けて煙草を吸ってみた...
魯迅 井上紅梅訳 「風波」
...宮(みや)の閾(しきみ)のかたかげに...
薄田淳介 「白羊宮」
...」と彼は三枚か四枚の金貨を閾(しきい)のところへ投げ出した...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...縁側の閾際(しきいぎわ)に座布団を敷いて明け放された葭簀(よしず)に背中をもたれながら...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...そして室の閾(しきい)をまたがないうちに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...本當に女房もちに成つては仕方がないねと店に向つて閾(しきゐ)をまたぎながら一人言をいへば...
樋口一葉 「にごりえ」
...閾(しきい)のところに立って...
久生十蘭 「キャラコさん」
...閾(しきい)ぎわに手をついた...
本庄陸男 「石狩川」
...楊子(やうじ)をふくみながら中窓の閾(しきゐ)に腰を掛ける...
三島霜川 「平民の娘」
...その虫が閾(しきみ)近くなった時...
南方熊楠 「十二支考」
...意識の閾(しきい)の下で胎を結んで...
森鴎外 「雁」
...完全なるものの閾(しきゐ)を跨いでゐるのだよ...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...小倉の袴(はかま)を穿(は)いた書生が閾際(しきゐぎは)に手を突いた...
森鴎外 「魔睡」
...つい閾(しきい)を高くしていたが」「ちょっと待ってよ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...何もそうにわかに閾(しきい)をおかなくたっていいだろう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...九一歩――閾(しきい)を踏んで出た武蔵には...
吉川英治 「宮本武蔵」
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