...阿Qは今後決して趙家の閾(しきい)を越えぬ事...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...――ただし趙家の閾(しきい)だけは跨(また)ぐことが出来ない――何しろ様子がすこぶる変なので...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...ただこの一本の閾(しきい)...
魯迅 井上紅梅訳 「狂人日記」
...伸び上って見ると櫃台の下の閾(しきい)の上に孔乙己が坐っている...
魯迅 井上紅梅訳 「孔乙己」
...機(はづ)みを喰(く)つて閾越(しきゐご)しに庭に転げ込んで来るので...
薄田泣菫 「茶話」
...直ぐ閾際(しきいぎわ)に膝(ひざ)を衝(つ)いてライカを向けた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...片脚をすっかり縁側の閾(しきい)に載せて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...閾(しきい)の向うに...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...閾際を通る時に、細君は長い寝間着の裾(すそ)をぞろぞろ引(ひ)き擦(ず)って歩くので、その裾が五度に三度までは必ず瓦斯の栓に触(さわ)ること...
谷崎潤一郎 「途上」
...先づ出入口と押入の閾際へ行つて匂を嗅いで見...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...閾(しきい)に両手をついたまま彼が門を出てしまうまで...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...私も閾の所までずり出して其噺を聞いた...
長塚節 「隣室の客」
...彼女がそつと歩みよつた閾際から言へば...
平出修 「夜烏」
...暗(やみ)の閾(しきい)から朧気な夢が浮んで...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...いくすじとない行列を畳のへりから障子ぎわの閾(しきい)までつづけていた...
室生犀星 「香爐を盗む」
...わが閾(しきゐ)は汝の訪はぬままに...
與謝野寛 「妄動」
...三合だった……飲んでそれから……閾(しきい)をへだててほろ酔いで床につく……お綱が鬢(びん)を枕へつけながらニッとこっちへ媚(こび)をむける……意味ありそうな...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...何もそうにわかに閾(しきい)をおかなくたっていいだろう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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