...」と玄関番は閾(しきゐ)に突立つた儘(まゝ)...
薄田泣菫 「茶話」
...前より余計しょんぼりとなって玄関の閾(しきい)をまたいだのです...
田中英光 「オリンポスの果実」
...そこの子窓(れんじまど)の閾(しきい)に腰をかけてついこの春の初めまでいた赤城坂の家の屋根瓦(やねがわら)をあれかこれかと遠目に探したり...
近松秋江 「うつり香」
...時間領域・時間閾・時間評価・過現未(時間のモーディー)...
戸坂潤 「読書法」
...イワンがその御殿の閾(しきい)をまたぐかまたがないうちに...
トルストイ Tolstoi 菊池寛訳 「イワンの馬鹿」
...白衣の子役は閾一つを隔てゝ見物と並んで坐つて居るのであつた...
長塚節 「佐渡が島」
...其(そ)の閾(しきゐ)を越(こ)すことが彼(かれ)にはどれ程(ほど)辛(つら)かつたか知(し)れぬ...
長塚節 「土」
...劇(はげ)しく開(あ)けた戸(と)が稍(やゝ)朽(く)ち掛(か)けた閾(しきゐ)の溝(みぞ)を外(はづ)れようとしてぎつしりと固着(こちやく)した...
長塚節 「土」
...閾(しきゐ)を出(で)たり這入(はひ)つたり...
長塚節 「土」
...豈嗤はざれや(三十七年六月)短歌萬葉は道の直道然れども心して行けおほにあらずして萬葉は兒の手柏の二面に三面四面に八面(おもて)に見よ藍染の衣きる人は藍の如ひいでむとこそ心はあるらめ筍のひでもひでずも萬葉の閾を超えて外に出でざめや明治三十七年一月三十一日長妹とし子一女を擧ぐ...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...栄蔵のすぐあとに続いて閾(しきゐ)をまたいだ...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...閾(しきい)をまたいで外に出れば...
火野葦平 「花と龍」
...閾を跨いだばかりで直ぐ引っ返すなんて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...暗(やみ)の閾(しきい)から朧気な夢が浮んで...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...凍(こお)った閾(しきい)の上に音もなく雨戸を閉めた...
室生犀星 「童子」
...こちらの閾を跨いで外へ出られないと云ふのは...
吉井勇 「或る日の小せん」
...低い岩の閾の上に...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...水口(みずぐち)の閾(しきい)を修繕(なお)してくれなくっちゃ困るじゃねえか...
吉川英治 「鍋島甲斐守」
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