...閨(ねや)では別段に注意を要するだろう...
泉鏡花 「怨霊借用」
...ある時早稲田南町の漱石氏の宅を訪問した時に席上にある一婦人は久保猪之吉博士の令閨(れいけい)として紹介された...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...何んでも清氏の令閨(れいけい)が合田医師の姪(めい)とかに当るということを後に至って知りました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...または蘭童かかりつけの××の閨房(けいぼう)に御夫人感謝のつつましき白い花咲いた...
太宰治 「二十世紀旗手」
...僕ハ彼女ト直接閨房ノヲ語リ合ウ機会ヲ与エラレナイ不満ニ堪エカネテコレヲ書ク気ニナッタノダ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...ハンブルクに於いて親愛なる蒔岡御令閨(れいけい)様私はあなたの大変懇(ねんご)ろなお手紙に対してもっと早くお返事を差上げなかったことを...
谷崎潤一郎 「細雪」
...十三歳の少年が夜半に閨(ねや)を忍び出て...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...閨の中でだって、一度も積極的に出てくれたことはない...
豊島与志雄 「好人物」
...秀吉の後半生の閨門を支配して...
中里介山 「大菩薩峠」
...閨(ねや)を共にする男へなんぞの色気(いろけ)は...
林芙美子 「魚の序文」
...王問の詩には幼女十五纔出閨...
原勝郎 「鞦韆考」
...閨(ねや)から閨へ追い廻す...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...閨(ねや)の隙間(すきま)から斫(き)り込んで来る暁の光は次第にあたりの闇を追い退(の)け...
山田美妙 「武蔵野」
...閨房(ねや)の上淫がのぞかれるからであった...
吉川英治 「治郎吉格子」
...良家の閨門(けいもん)のみだれやら...
吉川英治 「新書太閤記」
...これが若い時は閨秀(けいしゅう)詩人で鳴らした紅蘭(こうらん)女史であった...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...ほの暗い閨(ねや)の気配のうちに光っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...猶こそこはがり給はめなどうち言ひたるよ」(ねたきもの)というごとき閨中の痴情も...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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