...このたび戦死したる少尉B氏の令閨(れいけい)に候...
泉鏡花 「凱旋祭」
...翠帳紅閨(すいちょうこうけい)に枕を並べて比翼連理(ひよくれんり)の語らいに夜の短かさを嘆ずることとはなった...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...世にいふ閨秀歌人...
小穴隆一 「二つの繪」
...正月五日夜漱石虚子君乍末筆御令閨へよろしく御鳳声願上候...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...翌日になって豊雄は閨房(ねや)から逃げ出して庄司に話した...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...ハンブルクに於いて親愛なる蒔岡御令閨(れいけい)様私はあなたの大変懇(ねんご)ろなお手紙に対してもっと早くお返事を差上げなかったことを...
谷崎潤一郎 「細雪」
...なかば不能になりかかってる老人は、閨房で、玩具のように彼女を扱った...
豊島与志雄 「紫の壜」
...がこれは昼の時の姿とは打って変ったお蘭の方の閨(ねや)の装いでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...この閨秀詩人は字を合わせ韻(いん)をさぐることに...
中里介山 「大菩薩峠」
...マリアムネの死後はサマリアのマルタケが閨房の勢力を独占していた...
野上豊一郎 「処女の木とアブ・サルガ」
...閨房に留まることには何の安全もないことを知ったのだった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...あなた御自身の複雑な閨閥関係もあり...
久生十蘭 「魔都」
...閨技(けいぎ)の秘奥(ひおう)や交合の姿態などを細密に説いて...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...姫君が冷酷にも閨(ねや)へ身代わりを置いて隠れてしまった話をされ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...【四八】閨...
司馬遷 箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...彼九州に遊びし時家を憶(おも)ふの詩あり、曰く客蹤乗レ興輙盤桓、筐裡春衣酒暈斑、遙憶香閨燈下夢、先レ吾飛過振鰭山、と...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...何かまた大胆な閨房の秘語を飛ばしたとみえて...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...猶こそこはがり給はめなどうち言ひたるよ」(ねたきもの)というごとき閨中の痴情も...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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