...己(おの)が美妻(びさい)の閨(ねや)なのであつた...
泉鏡太郎 「畫の裡」
...世にいふ閨秀歌人...
小穴隆一 「二つの繪」
...本當に人を馬鹿にしてゐる」と考へながら雨戸の透間の白んでゐるのを見て又空閨に二度寢をする...
高濱虚子 「俳諧師」
...外へ出ようと思って豊雄の閨房(ねや)の前を通りながら見ると...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...陳はそこで此所(ここ)は閨閣(おおおく)に近い所ではないかと思った...
田中貢太郎 「西湖主」
...彼女と此の兎唇(みつくち)の大名とが水入らずで対坐している閨(ねや)の光景が見たくてならなかった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...未来の閨秀(けいしゅう)作家は学校から帰って来ると...
田山花袋 「蒲団」
... 390彼今中に閨房に美なる臥榻に横はり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...ほいと賤人を寵愛して閨(ねや)の伽(とぎ)をさせるはすなわちほいと賤人に落ちたも同然...
中里介山 「大菩薩峠」
...秀吉の後半生の閨門を支配して...
中里介山 「大菩薩峠」
...陽春二三月 楊柳斉作レ花春風一夜入二閨闥一楊花飄蕩落二南家一含レ情出レ戸脚無レ力 拾二得楊花一涙沾レ臆秋去春来双燕子 願銜二楊花一入二裏一灯の下に横座りになりながら...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...彼は彼女と共に閨房へ向かった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...一人孤閨にあつて思ひ乱れる麗人の心緒を髪の乱れに具象した作でそれだけのものであるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...閨(ねや)の上にかたえさしおほひ外面(とのも)なる葉広柏(はびろがしわ)に霰(あられ)ふるなり(能因(のういん))これも客観的の歌に候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...この仲間に入れられているのである――それから中年の閨秀作家とせむしの音楽家と――すっかりで十二人ばかりの客が座についている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
...さては閨急(ねやいそ)ぎか」「これは...
吉川英治 「私本太平記」
...そして閨房とて、ほかに入れた女性(にょしょう)もありません...
吉川英治 「私本太平記」
...その孤閨(こけい)にあった美しい婦人こそ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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