...詰らぬ様なことなれども我輩の調査した所によりて猫が赤色を好むと云うことを述べて置く併(しか)し今も言う通り或は偶然の結果かも知れぬのであるから間違っても責は負わないのである...
石田孫太郎 「猫と色の嗜好」
...いいかね、間違っても、そのカセイなんとかいうものなんぞに、こっちゃならないぞ」「ええ、大丈夫...
海野十三 「火星兵団」
...だが科学教育をそういう心的能力という形式的観念から問題にすることは間違ってもいるし流行ってもいないだろう...
戸坂潤 「現代科学教育論」
...間違ってもこういう陥井に墜ちてはならない筈である...
戸坂潤 「読書法」
...どんなに間違っても縛られることはないから...
中里介山 「大菩薩峠」
...無事に育って、日傭取(ひようとり)かせぎでもいいから、こくめいに働いてさえくれればよい、間違っても、おれのように足が早く生れついてくれるなと心配しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...さあ、この後日に間違いがなければいいがと、ヒヤヒヤしているうちに、この座敷の主人、すなわち兵馬は無事に出立してしまったから、まあよかった、どう間違っても、当人さえ出て行けば、相手のない喧嘩はできないのだから、まあ何とか納まるだろうと、ホッと息をついているところへ、仏頂寺らが帰ったものだから、また新たな心配が起らないでもありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...では弁信さんは、わたしを振捨てる気でそんなことを言うのでしょう」「そうではないのです、そうではないけれど、このままあなたを連れ出すということが、すんなり行くかどうかを考えさせられずにはおられません」「ようござんす、弁信さんがわたしを連れて関ヶ原へ行かなければ、わたしはわたしでひとりで行きますから」「では、やむを得ません、あなたと一緒に関ヶ原へ参りましょう」「ああ嬉しい」「わたくしはここに待っておりますから、おうちへ帰ってお仕度をしていらっしゃい」「それはいけません、弁信さん」「どうしてですか」「わたしがあそこへ帰れば、わたしはきっと引きとめられてしまいます、決してひとりで旅に出ることなんぞは許されるはずがありませんもの」「でも、そのままでは仕方がないでしょう」「だって、弁信さんだって――いつも着のみ着のままで、旅に出るではありませんか」「わたくしは違います――わたくしは世間の人と違って、旅が常住ですから……」「なら、わたしにもその真似(まね)をさせて下さい」「それはあぶないです」「あぶないことはございますまい、不自由な弁信さんが着のみ着のままで出られるように、ともかくも五体満足な、女の身ではあるけれども若い盛りのわたしが、着のみ着のままで出られないはずはありません、もし、間違っても、それはあなたの責任ではありませんから」「よろしうございます、では、このまま出かけましょう」「出かけましょう」二人はこの場の出来心――というよりも、非科学的であることの甚(はなはだ)しい弁信法師の頭だけの暗示をたよりとして、一種異様なる駈落(かけおち)を試みようということに、相談が一決してしまったのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...どう間違っても東の空には現われないものなのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...どう間違ってもお内儀さんの御心配になるような事態が引起されるはずはないのでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...どう間違っても怪我はないところであるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...そう解釈してみると、解釈しきれないのは、では、ナゼ男も死んだ、これだけの男ならば、水練がないはずはなし、どう間違っても、この小娘一人を水上に扱い兼ねる代物(しろもの)ではないはずなのに、おぞくも生死を共にして抱合いの形に落ちてしまった...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかしどう間違っても...
夏目漱石 「こころ」
...どう間違っても自害する気遣いはないと思ったのが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...間違ってもこんな真似をしてはいけないという意味を言聞かして...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...耳朶(みみたぶ)なぞへは間違ってもつけるような事はしないのである...
林芙美子 「晩菊」
...間違っても災難ごとなんぞ起こりやしねえだべえな」「そんなことはない...
山本周五郎 「似而非物語」
...どう間違っても溺れるようなことはないであろう...
山本周五郎 「柳橋物語」
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