...間違えるはずはないが...
伊藤野枝 「転機」
...それは造化の神が頭部を逆に――眼鼻口は除いて間違えて付けたのではないかと思われるほど頬からへかけて漆黒の剛毛が生え...
犬田卯 「瘤」
...どうやら気が変だと間違えられそうな虞れがあるのでまあ思い停った...
海野十三 「深夜の市長」
...それがうまく効(こう)を奏して隅田(すみだ)氏の妹と間違えられたのです...
海野十三 「赤外線男」
...貴方は人間の子と物品と間違えて居られるようであるが...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...前とうしろと間違えたりおしやしてなあ」要はお久のそんな言葉を想い出しながら...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...むかし吉原の或る有名な太夫は緡銭(びんせん)を毛蟲と間違えたふりをして上品さを衒(てら)ったと云うが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...なんでも下駄を間違えたやつを...
中里介山 「大菩薩峠」
...私と間違えられて殺されたものらしい」「エッ」「予告は私にだけわかるような一種の形式で...
野村胡堂 「死の予告」
...この平次を鰌(どじょう)と間違えやがって」「誰がこんな事をしたんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...乞食に間違えられようとは思いもよりませんでした...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...上野公園のヒガンザクラが咲いたとその名を間違えて書いてあった...
牧野富太郎 「寒桜の話」
...いまにも段取りを間違えドジを踏みはしないかと圓朝...
正岡容 「小説 圓朝」
...すべき「礼儀」をも「野幇間(のだいこ)」と間違えてせず...
正岡容 「寄席」
...村の人は電光と間違えたが...
武者金吉 「地震なまず」
...間違えて犬の餌でした...
山之口貘 「酒友列伝」
...先へ着いてからチャンコロと間違えられねえ用心にと思いまして...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...しかるに近ごろわたくしは時々東京大学の名誉教授と間違えられる...
和辻哲郎 「非名誉教授の弁」
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