...左(と)に右(か)く多くの二葉亭を知る人が会わない先きに風采閑雅な才子風の小説家型であると想像していたと反して...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...芭蕉翁などのよろこびさうな軽い閑雅な味のものであるが...
太宰治 「津軽」
...今日(こんにち)吾人の眼より見れば貧しきこの裏屋も風流閑雅なる隠宅の如き観あり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...生茂る竹むらを其儘の垣にした閑雅な門構の家がつゞき出す...
永井荷風 「里の今昔」
...生茂る竹むらをそのままの垣にした閑雅な門構の家がつづき出す...
永井荷風 「里の今昔」
...佐治君には閑雅な趣がある...
長塚節 「教師」
...閑雅な上代の色彩を...
夏目漱石 「行人」
...即ち「幻の寢臺」、「憂鬱なる櫻」、「さびしい青猫」、「閑雅な食慾」、「意志と無明」、「艶めける靈魂」他詩一篇である...
萩原朔太郎 「青猫」
...閑雅な食慾怠惰の暦いくつかの季節はすぎもう憂鬱の櫻も白つぽく腐れてしまつた馬車はごろごろと遠くをはしり海も 田舍も ひつそりとした空氣の中に眠つてゐるなんといふ怠惰な日だらう運命はあとからあとからとかげつてゆきさびしい病鬱は柳の葉かげにけむつてゐるもう暦もない 記憶もないわたしは燕のやうに巣立ちをし さうしてふしぎな風景のはてを翔つてゆかう...
萩原朔太郎 「青猫」
...だれも閑雅な好い感じをもつことができる温泉である...
萩原朔太郎 「石段上りの街」
...ひとりで閑雅な麥酒(ビール)を飮んでる...
萩原朔太郎 「宿命」
...閑雅な食慾松林の中を歩いてあかるい氣分の珈琲店(かふえ)をみた遠く市街を離れたところでだれも訪づれてくるひとさへなく松間の かくされた 追憶の 夢の中の珈琲店(かふえ)である...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...閑雅な食慾松林の中を歩いてあかるい氣分の珈琲店(かふえ)をみた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...藤木家の寺院(おてら)は、浅草菊屋橋の畔(ほとり)にあって、堂々とした、そのくせ閑雅な、広い庫裏(くり)をもち、藪(やぶ)をもち、かなり墓地も手広かった...
長谷川時雨 「朝散太夫の末裔」
...荷物をひき纏(まと)めて静寂閑雅なパッシイの高等下宿(パンション・ド・ファミイユ)から...
久生十蘭 「犂氏の友情」
......
三好達治 「一點鐘」
...加茂(かも)の清流に臨む閑雅な寮で...
吉川英治 「新書太閤記」
...閑雅な一室に坐り...
吉川英治 「宮本武蔵」
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