...左(と)に右(か)く多くの二葉亭を知る人が会わない先きに風采閑雅な才子風の小説家型であると想像していたと反して...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...依然として閑雅な京風の趣がある...
津村信夫 「挿頭花」
...彼等の閑雅な患者たちに向ってにこにこと微笑の愛嬌を振り撒いていた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...この閑雅な地に移りえたことを喜んで...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...北斎(ほくさい)広重(ひろしげ)は閑雅なる市中(しちゅう)の風景に遊ばしむ...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...吾人は寂寞(せきばく)閑雅なる広重の江戸名所において自(おのずか)ら質素の生活に甘(あまん)じたる太平の一士人(いちしじん)が悠々(ゆうゆう)として狂歌俳諧の天地に遊びし風懐(ふうかい)に接し...
永井荷風 「江戸芸術論」
...佐治君には閑雅な趣がある...
長塚節 「教師」
...閑雅な上代の色彩を...
夏目漱石 「行人」
...即ち「幻の寢臺」、「憂鬱なる櫻」、「さびしい青猫」、「閑雅な食慾」、「意志と無明」、「艶めける靈魂」他詩一篇である...
萩原朔太郎 「青猫」
...閑雅な食慾怠惰の暦いくつかの季節はすぎもう憂鬱の櫻も白つぽく腐れてしまつた馬車はごろごろと遠くをはしり海も 田舍も ひつそりとした空氣の中に眠つてゐるなんといふ怠惰な日だらう運命はあとからあとからとかげつてゆきさびしい病鬱は柳の葉かげにけむつてゐるもう暦もない 記憶もないわたしは燕のやうに巣立ちをし さうしてふしぎな風景のはてを翔つてゆかう...
萩原朔太郎 「青猫」
...だれも閑雅な好い感じをもつことができる温泉である...
萩原朔太郎 「石段上りの街」
...をとめは戀戀の羞をふくんであけぼののやうに爽快な 別製の皿を運んでくる仕組私はゆつたりとふほくを取つておむれつ ふらいの類を喰べた空には白い雲がうかんでたいそう閑雅な食慾である...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...閑雅な白い雲が浮んでゐる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...閑雅な食慾松林の中を歩いてあかるい氣分の珈琲店(かふえ)をみた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...地面に趺坐(ふざ)して閑雅な支那の賭博(ばくち)をしていた...
萩原朔太郎 「日清戦争異聞」
...閑雅な態度で大将は語っているのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...加茂(かも)の清流に臨む閑雅な寮で...
吉川英治 「新書太閤記」
...閑雅な一室に坐り...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??