...斜めに開き直って...
泉鏡花 「婦系図」
...が、開き直って、今晩は、環海ビルジングにおいて、そんじょその辺の芸妓(げいしゃ)連中、音曲のおさらいこれあり、頼まれました義理かたがた、ちょいと顔を見に参らねばなりませぬ...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...これを聞いた件(くだん)の山伏、さっそく、懐中せる小刀をとり出し、開き直って、「しからば、拝見いたそう」と、つめよったのです...
高神覚昇 「般若心経講義」
...革命家魂がなまってると言うのかい」と俺は開き直って...
高見順 「いやな感じ」
...むごい親方ではなかった」「清さんへの義理がありますもの」綾子はそして開き直って...
高見順 「いやな感じ」
...そんなに、しつっこく追及されると、僕も開き直って、もっと馬鹿正直に言ってやりたくなります...
太宰治 「新ハムレット」
...彼は開き直って両手をつき...
谷崎潤一郎 「幇間」
...何年も前に開き直ってしてくれたほうがむしろ親切だったのではないかと...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...檣上の小宣伝家は、相手が唖(おし)であり、聾(つんぼ)である――或いは聾であるが故に唖であり、唖であるが故に聾――どちらでもかまわないが、これは相手にはならないと見て、また開き直って、次なる出鱈目の用意にとりかかった時、はじめて下から音声がありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それが僕らの最も希望するところです」と岡田は開き直っていった...
夏目漱石 「行人」
...あなたに伺います」「何もそんな事を開き直って聞かなくっても好(い)いじゃありませんか」「真面目くさって聞くがものはない...
夏目漱石 「こころ」
...「そりゃ楽な身分の人の云い草ですよ」と叔母は開き直って津田に云った...
夏目漱石 「明暗」
...拙者は石津右門――」「拙者は大垣伊右衛門と申す者」二人の武家は開き直って挨拶するのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...八五郎は開き直って年始のあいさつを申述べるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...」彼は折々突然に開き直って...
牧野信一 「鬼涙村」
...官等(かんとう)は君等の上席じゃないか……」と開き直ってくれたが...
夢野久作 「爆弾太平記」
...開き直ってみると...
吉川英治 「剣難女難」
...なんで天下のお為になるか」「ならいでか」ばばは開き直って...
吉川英治 「宮本武蔵」
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