...ただ寒いのには閉口するが...
大杉栄 「獄中消息」
...有難うだが仕舞つて置いてくれ給へ」と十風も襟垢には少し閉口する...
高濱虚子 「俳諧師」
...咳嗽には閉口する...
種田山頭火 「其中日記」
...屋根の漏るには閉口する...
種田山頭火 「其中日記」
...上総ナマリのテコヘンなるアクセントにはさすがの僕も時々閉口するのである...
辻潤 「ふもれすく」
...わたしは頗(すこぶ)る閉口するに違いない...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...尤も私は船嫌いなのでこの航路の横潮にはいつも閉口するのであるから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...此の二つには全く閉口する...
中島敦 「光と風と夢」
...しかし為替(かわせ)が来なくっては本も買えん、少々閉口するな、そのうち来るだろうから心配する事も入るまい、……ゴンゴンゴンそら鳴った...
夏目漱石 「倫敦消息」
...近來齒の惡くなつた私は閉口する...
濱田耕作 「異國さかな雜談」
...どつちにしても同じやうな事を同じやうな言葉で繰り返されるものが多いのに閉口する...
正岡子規 「病牀六尺」
...少し亂暴なのには閉口する事も多かつたが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...それぐらゐで閉口するやうな弱虫でないから...
宮原晃一郎 「動く海底」
...時と場合とでは相当に閉口する...
宮本百合子 「打あけ話」
...プリントの仕事などさせられると粒の揃った細かい字が書けないで先ず閉口するたちであった...
「鏡餅」
...ビールの招牌(かんばん)にありそうな便々とした腹を持っていて普通の洋服では釦(ぼたん)が合わん仕立屋がズボンの仕立に閉口する位だ...
村井弦斎 「食道楽」
...しかし是は或る老先生が田口も善いが其漢文には閉口すると云ひたりとか云ふ評判なれば其儘(そのまゝ)掲げたる耳(のみ)...
山路愛山 「明治文学史」
...全く閉口するのは西洋人の名前である...
夢野久作 「創作人物の名前について」
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