...有難うだが仕舞つて置いてくれ給へ」と十風も襟垢には少し閉口する...
高濱虚子 「俳諧師」
...煤烟と騒音とには閉口する...
種田山頭火 「行乞記」
...油虫! この虫には閉口する...
種田山頭火 「其中日記」
...上総ナマリのテコヘンなるアクセントにはさすがの僕も時々閉口するのである...
辻潤 「ふもれすく」
...わたしは頗(すこぶ)る閉口するに違いない...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...「商売と改まって聞かれると閉口するですがね...
中里介山 「大菩薩峠」
...ベッジパードンのコックネーに至っては閉口を通り過してもう一遍閉口するまで少々草臥(くたびれ)るから開口一番ちょっと休まなければやり切れないくらいのものだ...
夏目漱石 「倫敦消息」
...暑い日に照りつけられてガタガタ四時間半も搖られて行くのは閉口するといふので...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...あるアメリカの学者から、直接きいたことであるが、日本語で一番、閉口するのは、書く言葉と話す言葉の違っていることだそうである...
野村胡堂 「胡堂百話」
...粗衣粗食などに閉口する男でないと力身込(りきみこ)んで居るような訳(わ)けで...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...閉口することが多かつた...
牧野信一 「父を売る子」
...どつちにしても同じやうな事を同じやうな言葉で繰り返されるものが多いのに閉口する...
正岡子規 「病牀六尺」
...少し亂暴なのには閉口する事も多かつたが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...それぐらゐで閉口するやうな弱虫でないから...
宮原晃一郎 「動く海底」
...ビールの招牌(かんばん)にありそうな便々とした腹を持っていて普通の洋服では釦(ぼたん)が合わん仕立屋がズボンの仕立に閉口する位だ...
村井弦斎 「食道楽」
...しかしお肴(さかな)が饂飩と来ては閉口する...
森鴎外 「独身」
...七十郎は閉口するようすもなく...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...閉口するばかりか...
吉川英治 「新書太閤記」
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