...苑の芝生に設けたる棧敷(さじき)の邊より、烟火空に閃き、魚の形したる火は青天を翔(かけ)りゆく...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...あれをお聞き!』電光が突然積雲の塊まつた中で閃きました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...眼の前に黒い閃きがするように思ったが...
田中貢太郎 「蛇怨」
...あの微妙な閃きだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...たちまち室中に光が閃き渡って...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...勲章大礼服の閃き...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...「殺してっ――」綱手の頭、白い顔が、小太郎の前で、閃き、油の香、白粉の匂が、微かに漂った...
直木三十五 「南国太平記」
...二人の面には驚愕と怪訝の感情が電の如く閃き現れたが...
永井荷風 「にぎり飯」
...浅草橋も後(あと)になし須田町(すだちょう)に来掛る程に雷光凄(すさま)じく街上に閃きて雷鳴止まず雨には風も加(くわわ)りて乾坤(けんこん)いよいよ暗澹たりしが九段を上り半蔵門に至るに及んで空初めて晴る...
永井荷風 「夕立」
...吾々は人間にあり得る限りの眞の愛の淨き閃きに打たれる...
波多野精一 「時と永遠」
...瞼をぱっちりとあけきらず半眼のようにしてその下から瞳の閃きを見せている...
「おもかげ」
......
宮本百合子 「片すみにかがむ死の影」
...峯子の机の前の窓ガラスに絶えず揺れる雪解水の閃きが映りはじめた...
「今朝の雪」
...はっしと白い城の上に閃きかかりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...水上の灯火がしだいに幻のように閃きわたって来るに随い...
横光利一 「旅愁」
...ときどき異様に鋭い閃きを見せる眼つきも伴い...
横光利一 「旅愁」
...その者の閃きが何處へ現はれようとも...
吉江喬松 「霧の旅」
...色褪めた黄ろな光りの最後の閃きが射してゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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