...晦迷なる意識の中に閃き又閃く...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...「俺は捕えられているんだ」という考えがほんのちょっとした閃きのように自分の頭を通過したことを思い出した...
大杉栄 「続獄中記」
...希望の閃きを心に描いた...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...しばしの間は私に、妻はその者の何者であるかを知っていて、またその変な相図もわかっていて、彼の女の案じているのは、私ではなく、向うの者の怪我であると云うことが、閃きましたが、しかしまたよく考え直してみると、ホームズさん、彼の女の声の調子にも、また目の色にも、この疑念をかき消させるものがありました...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...浅黒い頬には多少神経質な閃きが見られた...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...彼の頭には時々理智の閃きが過(よぎ)った...
豊島与志雄 「反抗」
...傍に立つてゐる榎の梢から木の葉の閃き落るのを眺めてゐました...
永井荷風 「畦道」
...の閃きは見えるとしても...
波多野精一 「時と永遠」
...之に反して、神聖者の言葉・神の召しに應じての、責任と本分との自覺よりしての決死は、眞の永遠の閃き、神聖なる愛に答へる純眞なる愛の輝きである...
波多野精一 「時と永遠」
...屈折による閃きだけではなく...
波多野精一 「時と永遠」
...声や表情にパッと新鮮な閃きがあった...
原民喜 「永遠のみどり」
...機転の閃きのない印象稀薄な風態で...
久生十蘭 「新西遊記」
...――ペーセポリス18の神殿のぐるりの蛇腹にあるにやにや笑っている仮面の眼からのたくり出ている毒蛇のように――彼の快活さの閃きにさえも織り込まれているのだった...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...或る趣味と近代機智の閃きを添えて...
宮本百合子 「合図の旗」
...彫鏤の工(たくみ)を盡したる「カミン」の火に寒さを忘れて使ふ宮女の扇の閃きなどにて...
森鴎外 「舞姫」
...瞬時の閃きであるから...
柳宗悦 「二笑亭綺譚」
...大島亮吉氏「山――研究と隨想」、板倉勝宜氏「山と雪の日記」この若き二人の夭逝した遺稿集は、いづれも純眞な、閃きのある、秀拔な文集である...
吉江喬松 「山岳美觀」
...色褪めた黄ろな光りの最後の閃きが射してゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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