...その手巾(ハンケチ)の閃きに応ずべき相手を物色するのに忙しかった...
芥川龍之介 「路上」
...雨大いに至り、電閃き、雷鳴る...
大町桂月 「白河の七日」
...希望の閃きを心に描いた...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...しばしの間は私に、妻はその者の何者であるかを知っていて、またその変な相図もわかっていて、彼の女の案じているのは、私ではなく、向うの者の怪我であると云うことが、閃きましたが、しかしまたよく考え直してみると、ホームズさん、彼の女の声の調子にも、また目の色にも、この疑念をかき消させるものがありました...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...しっとりとした宵闇の中に夜の灯が閃きかけると...
豊島与志雄 「春の幻」
...頭の奥に恐ろしい閃きとなって映った...
豊島与志雄 「反抗」
...保子のとそっくりな閃きを見せた...
豊島与志雄 「反抗」
...新しき思想は火花の閃きのように人の中に消えていく...
中井正一 「物理的集団的性格」
...浅草橋も後(あと)になし須田町(すだちょう)に来掛る程に雷光凄(すさま)じく街上に閃きて雷鳴止まず雨には風も加(くわわ)りて乾坤(けんこん)いよいよ暗澹たりしが九段を上り半蔵門に至るに及んで空初めて晴る...
永井荷風 「夕立」
...冷たいばかりの鋭さを持つた智の閃きで応酬する...
南部修太郎 「現代作家に対する批判と要求」
...この時天の一隅にさつと緑の閃きが走る...
原民喜 「かげろふ断章」
...破れて鋭い良心の破片の閃きとで或る種の市街戦の行われている国際都市の或る立場の人々としての現実を反映している...
宮本百合子 「明日の言葉」
...入浴する前後のわづかな閃きに似たところで其かがやきが見られるとしたら...
室生犀星 「帆の世界」
...(ほのお)の舌が閃きました...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...打算の閃きと同時に...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...その鼻の尖端に才気の閃きは決して見る事が出来ないのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...ときどき異様に鋭い閃きを見せる眼つきも伴い...
横光利一 「旅愁」
...大島亮吉氏「山――研究と隨想」、板倉勝宜氏「山と雪の日記」この若き二人の夭逝した遺稿集は、いづれも純眞な、閃きのある、秀拔な文集である...
吉江喬松 「山岳美觀」
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