...ドアの内側の鍵または閂(かんぬき)をかけて立ち去るという手段がある...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...雪がとけるにつれて閂がかかること...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...450譬へばとある牧羊者やすく羊毛一房を片手に取りて其重み些の煩をなさぬ如、かくヘクトール大石を抱きおこして腕にとり、嚴重堅固の備ある其關門の戸の前に搬び來りぬ、關門は二重の扉高く張り、 455二條の横木、一條の閂、内にこを固む、その前迫り立ち停り、投げの威力を増すがため、しかと兩脚踏み張りて、まともに巨石投げ飛ばし、門を堅むる番(てふつがひ)左右二つを碎き去る、石はおのれの重みにて内に落ち入り關門は 460高鳴り横木支え得ず、石に打たれて堅剛の扉左右に飛び散りぬ、かくて勇めるヘクトール、面(おも)は俄かの*夜の如く、その黄銅の裝は燦爛として、其手には二條の槍を携へて、躍り進みて内に入る、神を除きて何人も彼に 465手向ふことを得ず、其眼光は火の如く、衆軍中に振り向きて壘を越すべくトロイアの諸軍に高く呼はれば、彼の指令を衆は聽き、其あるものは壁を越し、他のあるものは堅牢の門を潜りて流れ入る、アカイア勢は支へ得ず、 470水陣さし逃げて走り喧囂絶えず湧き起る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...今日のうちに私たちも窓や扉に頑丈な閂を取り付けねばと言い張られまして...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「患者兼同居人」
...窓や扉へ丈夫な閂(かんぬき)をつけなくてはならないと主張するのでした...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「入院患者」
...「開門!」と侍は呼ばわった――すると閂を抜く音がして...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「耳無芳一の話」
...鉄の閂(かんぬき)や海老錠(えびじょう)のきしる音...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...小さな箱の閂子(かんぬき)をはずし...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...また外から閂があるから最初はまさかこの内に人がいようとは思わないのである...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...兩刀を少し閂(かんぬき)に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...閂(かんぬき)がおりて居ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「門を開けッ」「一挙に出るのだ」閂(かんぬき)へ手を掛けた者があります...
野村胡堂 「礫心中」
...「それッ」閂を抜くと...
野村胡堂 「礫心中」
...樫の木の閂で形を以って打ん殴ったものはなかった...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...熊軍団の前で扉を閉め急いで閂を下ろし地面に体ごと倒れこみすすり泣きました...
A. ビアス A.Bierce The Creative CAT 訳 「羊飼いハイタ」
...これらの閂のかかった部屋...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...鉄の閂(かんぬき)をはずす音がして...
吉川英治 「神州天馬侠」
...閂(かんぬき)が病みついた喉(のど)から出るうめき声のような音を立てる...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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