...未だかの長汀波上の蜃気楼台(しんきろうだい)の如(し)からず...
石川啄木 「閑天地」
...一彎の長汀ただ寂寞として...
石川啄木 「漂泊」
...曲浦長汀、烟霞縹渺として、いつ見ても厭かぬは霞ヶ浦の風光なるかな...
大町桂月 「鹿島詣」
...長汀曲浦の觀とは...
大町桂月 「常磐の山水」
...長汀曲浦ゆきつくして...
大町桂月 「北總の十六島」
...清水の長汀(ちやうてい)夢の如くかすみたり...
高山樗牛 「清見寺の鐘聲」
...今は長汀(ちやうてい)の波に漂(たゞよ)ひ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...風雨のすきまから長汀曲浦を眺めつつ急ぐ...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...細雨に烟(けむ)る長汀(ちょうてい)や...
中島敦 「環礁」
...寺泊から長汀南下して其所には半分海へ突出した米山が遙かの空に聳えて居る...
長塚節 「彌彦山」
...その裾野がイオニア海に滑り込んで幾つもの長汀曲浦を造っているのが瞬間ごとにより広く見晴るかせるようになって行くのが愉快だった...
野上豊一郎 「エトナ」
...旅に出てのどかな長汀曲浦にさしかかつた時のやうな氣持にはなれるが...
野上豐一郎 「桂離宮」
...長汀曲浦(ちょうていきょくほ)五里に亘る行路の絶勝は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...潮のけぶる長汀(ちょうてい)に...
吉川英治 「江戸三国志」
...暮れかけている横磯の長汀(ちょうてい)は...
吉川英治 「江戸三国志」
...ひろい六甲の山野から打出ヶ浜の長汀(ちょうてい)へかけて急なうごきがみえだしていた...
吉川英治 「私本太平記」
...熊野灘つづく限りの長汀曲浦と...
吉川英治 「随筆 新平家」
...常には見せない、長汀幾キロが、干潟(ひがた)を陽の目にあらわし、こうお腹が減ったんでは、見すべからざる神秘の肌だって、人目に曝(さら)さねばなりません、とちまたに抗議している西独や日本の夜の女なみに、この大自然嬢も、おなじ生態を語っているようである...
吉川英治 「随筆 新平家」
便利!手書き漢字入力検索