...自分は鐚一文だつて彼等の世話にならうなどとは思つてゐない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...道端に乞食が一人しゃがんで頻(しき)りに叩頭(ぬかず)いていたが誰れも慈善家でないと見えて鐚一文(びたいちもん)も奉捨にならなかったのは気の毒であった...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...フョードル・パーヴロヴィッチにも鐚一文(びたいちもん)とることができなかった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...鐚一文(びたいちもん)ないのだよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...わしからは鐚一文(びたいちもん)取れるわけじゃないんだから...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...鐚一文(びたいちもん)だってやりはせん...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...わたしのところでは鐚一文(びたいちもん)だってとれないんだよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...浅間しくないんだね!……私もうお前さんから鐚一文だって貰やしない...
豊島与志雄 「神棚」
...わしは鐚一文(びたいちもん)もあんなのに出すのは御免だ」「そんな一国(いっこく)なことを言って...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんなところへ出すお金なんぞ鐚一文もございません」「何だと...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんなところへ出す銭は鐚一文(びたいちもん)もねえんだとよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分のものは鐚一文持つちや居ません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そんな女と結婚するなら鐚一文(びたいちもん)もやらぬ...
松本泰 「緑衣の女」
...鐚一文の配当も俺あ受けた事あ無えんだ...
三好十郎 「地熱」
...鐚一文(びたいちもん)も入っちゃいませんでしたよ」「あとで泥を吐いたら承知せんぞ」警部の声が大きくなった...
森下雨村 「五階の窓」
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