...――枯木の根本には一振(ひとふり)の高麗剣(こまつるぎ)が竜の飾のある柄(つか)を上にほとんど鍔(つば)も見えないほど...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...刀の鍔(つば)にゐる天使でさへ...
芥川龍之介 「長崎小品」
...鍔の広い帽子にマントルを着た影はおのずから真っすぐに立ち上る...
芥川龍之介 「誘惑」
...刀を鍔(つば)まで鞘に納めようというのである...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...鍔(つば)をしっくりと耳へ被(かぶ)さるばかり深く嵌(は)めた...
泉鏡花 「歌行燈」
...」小橋氏は同胞(きやうだい)に礼をいふ心持で一寸帽子の鍔(つば)に手をかけて別れようとした...
薄田泣菫 「茶話」
...」紳士は一寸帽子の鍔(つば)へ手を掛けて挨拶した...
薄田泣菫 「茶話」
...鍔広の黒い帽子、よれよれのズボン、白いネクタイに親切そうな笑顔、慈悲深く世話焼きな風貌、いずれをとっても名優ジョン・ヘアに負けず劣らずだ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「ボヘミアの醜聞」
...刀先から鍔元までを...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...旧来の鍔江流(つばえりゅう)の五囃子だが...
中里介山 「大菩薩峠」
...しとどめが金――鍔(つば)が南蛮鉄に銀ぞうがん……小柄(こづか)は鳥金七子地(とりがねななこじ)へ金紋虎(きんもんとら)の彫り...
中里介山 「大菩薩峠」
...明け放された窓からは初夏の風がサカンに頬や帽子の鍔に吹きつけてゐた...
中原中也 「我が生活」
...切先(きっさき)から鍔元(つばもと)までしらべて見る……」「下手な刀屋じゃあるまいし」と迷亭君が冷評(ひやか)した...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...が、相手は、せせら笑って、「放さぬとも! 放しませぬとも! さ、こうまいられ!」引きずって行こうとした、その刹那、どう浪路の片手が動いたか、匕首の、鍔(つば)まで、心元(むなもと)を、ぐうッと突ッこまれた五助――「わああ!」と、わめいて、女を突きはなし、よろよろと、よろめいて、しばし怺(こら)えたが、急に、ガクリと膝を突いてしまった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...縁頭鍔共(ふちかしらつばとも)蓮葉(れんえふ)の一本指であつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...刀の鍔(つば)の下へ移して...
吉川英治 「宮本武蔵」
...野差刀(のざし)の鍔(つば)の下から離さなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...仮鍔(かりつば)を入れ...
吉川英治 「山浦清麿」
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