...八つ橋、豆板、京洛飴、或はかま風呂、おけら餅、土地の名物を売る店に交って、重々しい古代裂(こだいぎれ)を売る家や、矢立(やたて)、水滴(みずさし)、鍔(つば)、竿など小さな物を硝子棚一杯に列べた骨董屋などが並んで居る...
岩本素白 「六日月」
...刀や鍔を買って行ったそうで...
上村松園 「あのころ」
...いびつである筈の頭蓋は茶色の鍔広(つばひろ)の中折帽子のために見えない...
海野十三 「断層顔」
...肝腎の鍔が出来ないうちに...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...大きな鍔(つば)の広い帽子には...
太宰治 「女生徒」
...鍔のひろい麦藁帽に兄が富士登山の時に使つた神社の焼印の綺麗に幾つも押されてある白木の杖...
太宰治 「津軽」
...頭には鍔広の麦桿帽...
種田山頭火 「行乞記」
...その頃流行(はや)った鍔(つば)の広い中折帽を被(かぶ)って縞の着物...
寺田寅彦 「高浜さんと私」
...黒板色で鍔広の麦わら帽子...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「同一事件」
...ステッキをついた左の手に鍔広(つばひろ)のピュリタン帽を持つ右の手を重ね...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...近頃までかぶつて居た古い麥藁帽子は棄てゝいつもの鍔のさがつた冬の帽子である...
長塚節 「教師」
...飛び込んでは暫く鍔元の押合をしては離際に酷い力で横なぐりをしたが雙方の丈があまり違つたので僅に頭上を掠めただけであつた...
長塚節 「撃劍興行」
...鞘(さや)から鍔(つば)まで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...帽子の鍔をぐつとまぶかに引きさげながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...それから薄暗い横町の電柱の陰では鍔(つば)の垂(た)れた帽子で目隠しをしたヴァヰオリン弾(ひき)の唄売りなど...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...秀麿も鍔(つば)の嵌(は)まった松明(たいまつ)を手に持って...
森鴎外 「かのように」
...ただそれが三度めだということだけは覚えておくんだ」通助は大剣の鍔(つば)をぱちっと鳴らした...
山本周五郎 「新潮記」
...鍔(つば)のあたりへぶんと噛みついた分銅に...
吉川英治 「宮本武蔵」
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