...尤も適当な鍋があつたとしても...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...そこで田鍋の部下二名が台の代りになり...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...滑(すべ)つこい焼石(やけいし)を鍋(なべ)に衝込(つゝこ)むものがある...
薄田泣菫 「茶話」
...重うてならん」と云ふ声が――れいの煮込鍋の下に身体を暖め...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...やがて飯ができると鍋をおろして手掴みで喫いはじめた...
田中貢太郎 「怪しき旅僧」
...長い棒の先につけた匙で鍋を掻きまわしたりしているのだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...老婆は直ぐに前の鍋の蓋を取つて覗いた...
中島敦 「環礁」
...眞白い鍋の飯が食慾をそゝつた...
林芙美子 「暗い花」
...卵もぽこんぽこんと鍋の底で運動を始めました...
林芙美子 「クララ」
...鍋に割下をついで鷄を入れるのは珍らしいことに大吉郎がこまめにしてくれてゐる...
林芙美子 「夜福」
...鍋の中へ味噌たっぷり入れて...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...その鍋を炭火の竈(かまど)にかけた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...鉄鍋を火にかけて...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...それはバターを鍋で焦(こ)がす位にいためてセリー酒を注いで塩胡椒で味をつけたのです」玉江嬢「マア大変ですね...
村井弦斎 「食道楽」
...玉子の黄身へ塩を少し加えてよく掻(か)き混(ま)ぜて別に白身を雪のように泡立てて泡の消えないように軽く黄身を交ぜて鍋へ油を敷いてその中へ流し込む時箸の先かあるいは匙で上面(うわかわ)を拡げて鍋一杯にして両端を畳(たた)み込んで打返して焼けばそれでいいのです...
村井弦斎 「食道楽」
...それは新しき鰺を三枚におろし骨ともに湯煮て身ばかりを細かにほごし別にフライ鍋へバターを溶かしコルンスターチを入れていため鰺の湯煮汁と牛乳との半々を加えて薄き白ソースを作り塩胡椒にて味を付け前の身を入れ能(よ)く混ぜ合せて二十分間煮るなり...
村井弦斎 「食道楽」
...鍋のふたと、釜のふたとは」庶民の機智に、すっかり感心したていで...
吉川英治 「私本太平記」
...ここでは釜は鍋に先を越されたわ...
吉川英治 「私本太平記」
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