...錫杖の頭を並べたような兀々(こつこつ)した巉岩が数多(あまた)競い立っている...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...また何処からともなく錫杖の音がして...
田中貢太郎 「長者」
...錫杖を振りあげて...
田中貢太郎 「老狐の怪」
...ぴよんぴよん赤蛙・あすは来るといふ雨の蕗を煮てをく(澄太さんに)・てふてふなかよく花がなんぼでも・てふてふとんで筍みつけた・晴れわたり蓮の葉のあたらしい色青葉へ錫杖の音を見送る(禅海坊に)・あるきまはつてふたゝびこゝへ桐の花(改作再録)七月二日眼がさめたら夜明けらしいのですぐ起きる...
種田山頭火 「行乞記」
...有名な関の地蔵が六大無碍(ろくだいむげ)の錫杖(しゃくじょう)を振翳(ふりかざ)し給うところを西へ五町ほど...
中里介山 「大菩薩峠」
...前なるは手に錫杖(しゃくじょう)をついた一癖(ひとくせ)ありげな偉丈夫(いじょうふ)...
中島敦 「悟浄出世」
...錫杖に仕込んだ眞刀は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...錫杖に仕込んだ真刀は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大師が錫杖(しゃくじょう)のさきで...
柳田國男 「日本の伝説」
...鉄の錫杖(しゃくじょう)をななめに背(せ)にむすびつけて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...錫杖(しゃくじょう)を一本鍛(きた)えてもらいたいんだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...手には鍛(きた)えてまだ日の浅い錫杖(しゃくじょう)が...
吉川英治 「新・水滸伝」
...めずらしく手強(てごわ)いらしいぞ」破陣の勢いで錫杖を一振(しん)すれば...
吉川英治 「新・水滸伝」
...振りかけた錫杖がもし斜めに魯智深の眉間(みけん)を防がずにいたら...
吉川英治 「新・水滸伝」
...錫杖を持ち直した...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ふと躓(つまず)いたらしい錫杖(しゃくじょう)を拾い上げて大地にそれを突っ立てていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...真ッ赤な山神の錫杖(しゃくじょう)や白龍胆(しろりんどう)や桔梗(ききょう)の花がそれに代っていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...九条錫杖(さくじょう)...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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