...しばらくすると又錫杖の音をさして引返して来て...
田中貢太郎 「長者」
...また何処からともなく錫杖の音がして...
田中貢太郎 「長者」
...磧(かわら)に錫杖(しゃくじょう)立てて歌よむ行脚(あんぎゃ)など廻り燈籠のように眼前に浮ぶ心地せらる...
寺田寅彦 「東上記」
...「見えるだろう、そら、あの頂上に」「何も見えません」「おかしいな、よく見てごらん、頂上に錫杖(しゃくじょう)が立っている」「え、錫杖が、あのお山の頂上に?」「そうさ、ただ一本の錫杖が、絶頂の岩石の間に、突き立ててあるのが、お前には見えないのかなあ」「少しも見えません、また見えるはずもございませんもの」「だから、わしの眼が今日はどうかしているのだろう、こっちの眼では、ありありとわかるものが、お前の眼に少しも見えないとは……だが確かに錫杖が一本、あの剣ヶ岳の上に立っている...
中里介山 「大菩薩峠」
...錫杖の柄(え)へ捉(つら)まったりして...
夏目漱石 「道草」
...錫杖に仕込んだ眞刀は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...倉松の持っていた錫杖(しゃくじょう)が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...錫杖に仕込んだ真刀は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「お前は?」平次は錫杖などに構わず...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...錫杖を振つてやるのですが...
三田村鳶魚 「物貰ひの話」
...北斉の僧稠は錫杖を以て両虎の交闘を解く...
南方熊楠 「十二支考」
...加賀見忍剣(かがみにんけん)どのへ知らせん この状(じょう)を手にされし日 ただちに錫杖(しゃくじょう)を富士の西裾野(にしすその)へむけよ たずねたもう御方(おんかた)あらん同志(どうし)の人々にも会い給(たま)わんかしん居士(こじ)四竹童(ちくどう)は弱った...
吉川英治 「神州天馬侠」
...百斤なんて錫杖は人間の持ち物にゃありませんぜ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...手には鍛(きた)えてまだ日の浅い錫杖(しゃくじょう)が...
吉川英治 「新・水滸伝」
...振りかけた錫杖がもし斜めに魯智深の眉間(みけん)を防がずにいたら...
吉川英治 「新・水滸伝」
...錫杖を持ち直した...
吉川英治 「新・水滸伝」
...智深の錫杖の下に...
吉川英治 「新・水滸伝」
...錫杖(しゃくじょう)を持った女らしい観音や一輪の蓮花を携(たずさ)えた男らしい観音などが...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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