...べた一面に錐(きり)の穴をあけてあったと云うのですから...
芥川龍之介 「温泉だより」
...胸に錐でも刺された様な赤児(あかご)の悲鳴(なきごゑ)でも聞えると...
石川啄木 「赤痢」
...噴出物(ふんしゆつぶつ)堆積(たいせき)して圓錐形(えんすいけい)の高山(こうざん)を作(つく)るのが通常(つうじよう)である...
今村明恒 「火山の話」
...杉並木は下枝がおろしてなく、円錐形に並び、無精者の髪の裾毛みたいに、参道に低くむくむくとはみ出していた...
梅崎春生 「狂い凧」
...それと代って天井から強烈なスポット・ライトが美しい円錐(えんすい)を描きながら降って来た...
海野十三 「恐怖の口笛」
...廻転錐(かいてんきり)を三つに分けた」「なるほど...
海野十三 「未来の地下戦車長」
...満堂立錐の地もなく...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...錐(きり)の先で突いても穴一つあかず...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...「じゃあ、三ツ目錐の殿様と、おいらたちで名をつけようじゃねえか」「三ツ目錐の殿様――よかろう」「いいかえ、では、ここの殿様は三ツ目錐の殿様、このお邸は三ツ目錐の殿様のお邸っていうんだなあ」「ああ、そうきめちゃおう」「きまった、きまった、三ツ目錐の殿様、三ツ目錐のお邸」異議なく、ここに新名称が選定される...
中里介山 「大菩薩峠」
...三ツ目錐の炎を消すには...
中里介山 「大菩薩峠」
...斯(か)うして彼(かれ)の卯平(うへい)に對(たい)する憎惡(ぞうを)の念(ねん)が彼(かれ)の心(こゝろ)へ錐(きり)を穿(うが)つて更(さら)に釘(くぎ)を以(もつ)て確然(しつか)と打(う)ちつけられたのであつた...
長塚節 「土」
...錐もみされるやうな痛さが体に応へる...
中村地平 「悪夢」
...以上の角錐、角柱及び砲弾型の結晶は、氷の結晶系たる六方晶系の縦の方向の軸即ち主軸の方向に発達した結晶である...
中谷宇吉郎 「雪」
...稜錐塔(ピラミッド)の空を燬(や)く所...
夏目漱石 「虞美人草」
...錐(きり)くずの一粒でも...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「盗まれた手紙」
...ブランデル錐をなんにするのだね...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...頭心(とうしん)だけが錐(きり)のように研(と)げていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...噴煙を上げる円錐火山が多分二つ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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