...かすかながら鋭く...
芥川龍之介 「猿」
...始めて鋭く大殿様の御顔を眺めました...
芥川龍之介 「地獄変」
...女の啖呵(たんか)が鋭く裂かれた...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...その音は鋭く、奇妙だった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...むちの音が少年の胸を鋭くつき刺した...
太宰治 「逆行」
...(しづ)(やや鋭く)およしなさい...
太宰治 「春の枯葉」
...そして……私を見る眼ばかり鋭くギラつく...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...自分でも不思議に思うほど鋭く働いていた...
寺田寅彦 「球根」
...狂信的な悲観思想によって刃が鋭くなされていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...時によって妙に濁ったり鋭く光ったりする眼...
豊島与志雄 「古井戸」
...なかなか、あれは面白いものだの」と、義観はいって、鋭く「小太郎、生死の道は、心得ておろうな」と、聞いた...
直木三十五 「南国太平記」
...襞(ひだ)が鋭く刻まれているせいか...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...カテリーナの両の眼は鋭く...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...真黒い衣を鋭くひるがえしながらとつかはと消えていってしまった...
正岡容 「小説 圓朝」
...愚劣な伝習というようなものを常に鋭く諷刺し...
宮本百合子 「新たなプロレタリア文学」
...(入口の方をうかがっている)……村子 ……うそ!花岡 いや(目は入口の方を鋭くうかがいながら...
三好十郎 「胎内」
...次には鋭くて高雅な精緻に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...神経を磨(みが)き澄まし、精神を張り切って、眼にも見えず、耳にも聞えない或る事を考え詰めている時に電光のように閃めき出すもので、その鋭くて、早くて、確かな事はとても無線電波なぞの及ぶものでない...
夢野久作 「暗黒公使」
便利!手書き漢字入力検索