...烏が鳴くような、鋭い、しわがれた声で笑ったのである...
芥川龍之介 「仙人」
...鎗の穂よりも鋭い星が無数に燦(きらめ)いて...
石川啄木 「病院の窓」
...窓硝子(ガラス)が鋭い音をたてて壊れて下に落ちていった...
海野十三 「暗号音盤事件」
...非常に頭の鋭い而(しか)も極めて豪胆な連中の仕業(しわざ)に相違ありません...
江戸川乱歩 「黒手組」
...またしても鷦鷯(みそさゞへ)のやうに鋭い音を立てた...
薄田泣菫 「茶話」
......
高見順 「死の淵より」
...病人を気の毒がるよりもその時の鋭い叫び声を聞かされるのが遣り切れないのでヒヤヒヤしたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...赤土のような顔に大きい鋭い目を明(あ)いて...
田山花袋 「蒲団」
...そういう生活に対する鋭い懐疑と...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...金五郎の鋭い眼は...
火野葦平 「花と龍」
...鋭い声の、あれが泣饒舌(じゃべり)と云うのかも知れませんね...
広津柳浪 「昇降場」
...屋根などの線という線がそれぞれに鋭い角をなして天を目ざしている...
堀辰雄 「木の十字架」
...その基礎の上では自然と歴史とは鋭い対立をなし得ず...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...偽瞞を裏まで見とおしている社会生活への鋭い洞察者が...
宮本百合子 「音楽の民族性と諷刺」
...鋭い目に愛敬(あいきょう)のある末造が...
森鴎外 「雁」
...極めて少数の人々……もしくは直感の鋭い...
夢野久作 「冗談に殺す」
...その黒い瞳(め)は博士独特の鋭い光りを失って...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...一層鋭い眼を女達に投げた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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