...彼はこの書簡集の中にも彼の小説の中のように鋭いアフォリズムを閃(ひらめ)かせていた...
芥川竜之介 「歯車」
...別に、肩には更紗(さらさ)を投掛(なげか)け、腰に長剣を捲(ま)いた、目の鋭い、裸(はだか)の筋骨(きんこつ)の引緊(ひきしま)つた、威風の凜々(りんりん)とした男は、島の王様のやうなものなの……周囲(まわり)に、可(い)いほど間(ま)を置いて、黒人(くろんぼ)の召使が三人で、謹(つつし)んで給仕に附いて居る所...
泉鏡花 「印度更紗」
...ワーナー博士が鋭い叫び声を発した...
海野十三 「地球発狂事件」
...おせいの悪に鋭い直覚が...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...じっと前方を見つめているあの鋭い両眼には...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...そこのレールの上に鶴嘴でも転っていてかチャリーンと鋭い音を立ててひときわ激しく揺れはじめ...
大阪圭吉 「坑鬼」
...それはそれは刃の鋭い...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...鋭い女の声がきこえた...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...時々眼底のどこからか鋭い突き刺すような光の射してくる眼差しを眺めながら...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...十母屋(おもや)の大広間で恐しく鋭い尖声(とがりごゑ)が為たと思ふと...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...人を近づけない皮肉な様子と鋭い眼つきをしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...三 西沢峠鋭い星光に...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...永らく忘れていたこういう鋭い喜びに再び会うことが出来たのも嬉しかった...
中谷宇吉郎 「雪後記」
...剃刀のように鋭い白眼(しろめ)勝ちの瞳は...
火野葦平 「花と龍」
...間木君に用かね!」神妙な貌つきに似ず鋭い口調でさう言ふと...
北條民雄 「間木老人」
...サトーリスが鋭い目を向けており...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...大茶人たちが私たちに示した驚異はその鋭い直観である...
柳宗悦 「工藝の道」
...近くの墨の濃い松を見ると、幹は強く、葉はじつに鋭い...
吉野秀雄 「長谷川等伯の「松林図屏風」」
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