...それをみんな集める事が出来れば必要な時には銹器(おろしき)のやうな風に使へるだらう...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...君よ、君の生(いのち)は愛の一念であれ、心殘の銹(さび)も無く、後悔の銹も無く、鋼鐵の清い光に耀け...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...いろも銹(さ)びつる智慧の井のにがき雫なすすらせそ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...すげた中身の廻りに空気が入らないから銹(さび)が来ない...
高村光太郎 「回想録」
...お近いところから御順に」銹(さび)のある鍵屋の隠居の声が響いた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...赤銹色をした粘土の断崖...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...その銹びた鉄棒の間から...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...「父ちゃんはあんな鉄の銹をみんなどっからつけて来るんだろう? ここじゃあ鉄の銹なんてつくはずがねえんだがなあ!」第二章観物(みもの)「お前はもちろんオールド・ベーリー★をよく知っているね?」とこの上もなく年をとった事務員の一人が走使いのジェリーに言った...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...夢中の余りに自分の指についている鉄銹をしゃぶり取っていたが...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...金具の銹(さび)が付いているのはどうしてくれるんだ」「えッ」「お聞きの通りだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...銹銀色(さびぎんいろ)の重い空の...
長谷川時雨 「あるとき」
...まっ蒼(さお)に水銹(みずさび)の深い湖のほとりで午寐(ひるね)をしていると...
長谷川時雨 「糸繰沼」
...枯れてちりちりに銹びた色をしてゐた...
林芙美子 「濡れた葦」
...アルミニュウム板の銹を...
林芙美子 「雪の町」
...身から出た銹(さび)と自分を恨んで...
南方熊楠 「十二支考」
...こんな瘠せた銹(さ)び釘みたいなやつは目高の屑みたいだ...
室生犀星 「渚」
......
夢野久作 「猟奇歌」
...田と田との間の堰を、音立てゝ流れてゐた小川の水は、少し前までは草の實を一面に浮ばせて、彼方此方に持ち運んでゐたが、今ではもう、堰の上の溝萩が枯れ、澤瀉が枯れ、甘草の下葉も皆黄に朽ちて了ひ、蔓草の實の、黄に、紅に、或は黒色に、樣々の群をなしてゐたのが、皆風に吹き散されて了ひ、何の音も立るものもなく、浮べるものもなく、只鷦鷯がちよつ/\と鳴いて、小さな黒い影を時折水に落すのか、その他には白く丸い小さな珠となつて、蓬生の枯莖が搖いで影を見せてゐるばかり、水は眠つてゐるやうに、赤く銹びて、田と田との間に横はつてゐる...
吉江喬松 「山岳美觀」
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