...それをみんな集める事が出来れば必要な時には銹器(おろしき)のやうな風に使へるだらう...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...澤瀉の歌こもり沼(ぬ)の水銹(みさび)の面に...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...蠧魚(しみ)喰い銹(さ)びくさり盗人(ぬすびと)うがちてもち去る財宝をたくわえることに従事しているのである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...而もその古い鞘は銹びてぼろぼろになっていた...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...「いっつも銹(さび)だらけだ! 父ちゃんの指はいっつも銹だらけだ!」と小ジェリーは呟いた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...当時十二歳の小猿は父親の指にいつも鉄の銹がついているのを不思議がる...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...其の絶間(たえま)(たえま)には水銹(みずさび)が茜色(あかねいろ)の水蓋(みずぶた)をして居た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...もう不用になつたストーヴが白つぽく銹(さ)びてゐる...
中原中也 「山羊の歌」
...金具の銹(さび)が付いて居るのは何うしてくれるんだ」「えツ」「お聞きの通りだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...銹銀色(さびぎんいろ)の重い空の...
長谷川時雨 「あるとき」
...姉さんのしたことは本妻のすることなのだ」六代目菊五郎のその銹(さび)た声が室の外まで聞える...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...銹(さび)た渋いのどで唄の素稽古(すげいこ)をする...
長谷川時雨 「神田附木店」
...手には銹びた針金を持つてゐた...
林芙美子 「子供たち」
...銹びた鉄材の積み重ねてある奥をのぞくと...
林芙美子 「下町」
...枯れてちりちりに銹びた色をしてゐた...
林芙美子 「濡れた葦」
...こんな銹び釘なんか貰ひ損みたいだと私はいつた...
室生犀星 「渚」
...一人は艫(とも)にまわって潮銹(しおさび)の付いた一挺櫓を押す...
夢野久作 「爆弾太平記」
......
夢野久作 「猟奇歌」
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