...木村女史の戯曲『すみだ川』はその著『銀扇集(ぎんせんしゅう)』に収められている...
永井荷風 「すみだ川」
...隅田川から綾瀬(あやせ)の方へ漕(こ)がして行って銀扇(ぎんせん)を水に流して遊んだら面白いだろう」「気楽云ってらあ...
夏目漱石 「野分」
...銀扇を流すたどうするんだい」「銀泥(ぎんでい)を置いた扇を何本も舟へ乗せて...
夏目漱石 「野分」
...用意してある銀扇(ぎんせん)を開いたまま...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...銀扇の百本ぐらい一度に水に流しても平気なのでしょう...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...燕女の手には銀扇(ぎんせん)がさつと開かれ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...銀扇を高くかざしていたったるは...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...艫とわかれておもいおもいに空へ川面へ銀扇を飛ばすと...
久生十蘭 「黄泉から」
...手にひるがえす銀扇...
火野葦平 「花と龍」
...銀扇が舞姫の手からすべり落ちたかのやうに...
牧野信一 「秋雨の絶間」
...折しも、通りすがった二人づれ――対(つい)の黄八丈(きはちじょう)を着て、黒繻子(くろじゅす)に緋(ひ)鹿(か)の子(こ)と麻の葉の帯、稽古(けいこ)帰りか、袱紗包(ふくさづつみ)を胸に抱くようにした娘たちが、朱骨の銀扇で、白い顔をかくすようにして行く、女形(おやま)を、立ち止って見送ると、「まあ、何という役者でしょう? 見たことのない人――」「ほんにねえ、大そう質直(じみ)でいて、引ッ立つ扮装(なり)をしているのね?誰(だれ)だろう?」と考えたが、「わかったわ!」「わかって?誰(だ)あれ?」「あれはね、屹度(きっと)、今度二丁目の市村座(いちむらざ)に掛(かか)るという、大坂下りの、中村菊之丞(きくのじょう)の一座(ところ)の若女形(わかおやま)、雪之丞(ゆきのじょう)というのに相違ないでしょう――雪之丞という人は、きまって、どこにか、雪に縁のある模様(もよう)を、つけているといいますから――」「ほんにねえ、寒牡丹を繍(ぬ)わせてあるわ」と、伸び上るようにして、「一たい、いつ初日なの?」「たしか、あさッて」「まあ、では、じき、また逢えるわねえ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...右の手に持っていた銀扇を...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...銀扇の要(かなめ)で...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...半開きにした銀扇で...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...紅い口に銀扇を押しあてて笑ったが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...小姓たちには金扇銀扇をもたせて舞い競(きそ)わせ...
吉川英治 「新書太閤記」
...ここの勝家の前でも、鼓が鳴り、小舞の銀扇が、優雅な線を描いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...唄に鼓(つづみ)あり、舞に銀扇あり、人に歓声笑語もあるが、いかんせん、悲愁の気は掃(はら)うことができない...
吉川英治 「新書太閤記」
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