...司祭(しさい)の肩なる鉤鈕(かぎぼたん)の如く...
ポオル・クロオデル Paul Claudel 上田敏訳 「頌歌」
...すなはち取り出でて清洗(すす)ぎて、火遠理の命に奉る時に、その綿津見の大神誨(をし)へて曰さく、「この鉤をその兄に給ふ時に、のりたまはむ状は、この鉤は、淤煩鉤(おばち)、須須鉤(すすち)、貧鉤(まぢち)、宇流鉤(うるち)といひて一五、後手(しりへで)一六に賜へ...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...戸の鉤穴より控通り出て...
高木敏雄 「比較神話学」
...受話器を鉤に掛けた時には...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...*更に其後梶棒に結びて下に鉤(かぎ)を曲ぐ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...セルギウスは外の扉を締めて鉤を卸さずに...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...殆ど鉤稽窮搜に縁なきの恨あるも...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...胸(むね)の筋(きん)が一本(いつぽん)鉤(かぎ)に引(ひ)つ掛(かゝ)つた樣(やう)な心(こゝろ)を抱(いだ)いて...
夏目漱石 「門」
...地上に待っている仲間の者に鉤(かぎ)をはずさせ...
野村胡堂 「九つの鍵」
...頭を垂れているために重たげな広い額とがっちりした鉤鼻(かぎばな)とがくっきりと目立つ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...殊に蚊鉤釣りの名人である...
平田禿木 「趣味としての読書」
...銛(もり)と手鉤(ギャフ)を手に持った...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...烏賊はこれを真の海老だと思つて八本の手で抱きつくと鉤は彼の柔かな肉を刺すのである...
正岡子規 「病牀六尺」
...船の者共は面白半分鉤(かぎ)をかけて...
宮原晃一郎 「動く海底」
...自在鉤(じざいかぎ)とか...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...この鉤を一つの人形(にんぎょう)のように見ることが許されていたのではあるまいか...
柳田国男 「こども風土記」
...絶壁へかかると茂助は鉤縄(かぎなわ)を投げて...
吉川英治 「新書太閤記」
...自在鉤の先に、鍋が一つ懸かっているのを、彼女は年が年じゅう見て来たのだ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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