...彼(か)の鉄鉢を埋めさし...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...旅僧の鉄鉢を破ったことが浮んで来た...
田中貢太郎 「長者」
......
種田山頭火 「行乞記」
...彼女の一人が出て来て一銭銅貨を鉄鉢に入れやうとするのを『ありがたう』といつて受けないで『もういたゞいたもおなじですから...
種田山頭火 「行乞記」
...それを持つてきて鉄鉢に入れて下さつた...
種田山頭火 「行乞記」
...虹の松原はさすがにうつくしいと思つた、私は笠をぬいで、鉄鉢をしまつて、あちらこちら歩きまはつた、そして松――松は梅が孤立的に味はゝれるものに対して群団的に観るべきものだらう――を満喫した...
種田山頭火 「行乞記」
...・朝からの騷音へ長い橋かゝる(松浦橋)春へ窓をひらく・松風に鉄鉢をさゝげてゐる・松はおだやかな汐鳴り・へんろの眼におしよせてくだけて白波・旅のつかれの腹が鳴ります・しらなみの県界を越える□・わびしさに法衣の袖をあはせる酒は嗜好品である...
種田山頭火 「行乞記」
...・鉄鉢へ霰(改作)余談として一...
種田山頭火 「行乞記」
...・鉄鉢かゞやく・着飾らせて見せてまはつてゐる・水音...
種田山頭火 「行乞記」
...また子供が頭剃を嫌はない禁厭として鉄鉢をいたゞかせてくれといふ事も稀である...
種田山頭火 「行乞記」
...寝苦しかつた汗をながす・みんなたつしやでかぼちやのはなも・こどもばかりでつくつくぼうし・家あれば水が米つく・どこまでついてくるぞ鉄鉢の蠅・家がとぎれると水音の山百合煙が山から人間がをる仲よく朝の山の草刈る・いたゞきのはだかとなつた・こゝからふるさとの山となる青葉山奥の田草とる一人には鶯人にあはない山のてふてふ七月廿九日曇...
種田山頭火 「行乞記」
...『鉄鉢の句』こゝまでくれば...
種田山頭火 「其中日記」
...・たえずゆれつつ葦の花さく・水音の流れゆく秋のいろ・青草ひろく牛をあそばせあそんでゐる・となも(マヽ)お留守で胡麻の実はじける・鉄鉢の秋蝿を連れあるく・秋暑い鉄鉢で...
種田山頭火 「其中日記」
...鉄鉢(てつばち)をもつて...
新美南吉 「鳥右ヱ門諸国をめぐる」
...此乞食坊主の鉄鉢に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...火にかけた鉄鉢の磚茶(たんちゃ)が煮えると...
久生十蘭 「新西遊記」
...手には鉄鉢(てっぱつ)を持っている...
森鴎外 「寒山拾得」
...兜(かぶと)の鉄鉢(てつばち)を砲弾のように向けて...
吉川英治 「新書太閤記」
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