...俺のやうに鈍根な...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...併し悲しい哉鈍根の身には...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...此鈍根の身を何としよう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...ただ、彼がその自分の過去の説明を行った頃の支那の情勢、または日支関係、または支那の代表作家としての彼の位置、そのようなところから注意深く辿(たど)って行ったら、或いは何か首肯するに足るものに到達できるのではなかろうか、とも思われるのだが、鈍根の私には、そんなこまかな窮竟(きゅうきょう)はおぼつかない...
太宰治 「惜別」
...何も結構な家に生れて世過(よす)ぎに不自由のない娘をそれほどに教え込まずとも鈍根(どんこん)の者をこそ一人前に仕立ててやろうと力瘤(ちからこぶ)を入れているのに...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...また鈍根(どんこん)の子弟を恥(は)じしめて...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...我々のやうな鈍根なものには何うも材料ばかりが多くなりまして...
田山花袋 「道綱の母」
...単に耳から注込(つぎこ)まれた事は容易に呑込まぬ鈍根...
坪内逍遥 「十歳以前に読んだ本」
...鈍根(どんこん)の彼はしば/\捉(とら)え得たと思うては失い...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...我々鈍根(どんこん)のものがいまだ茫然(ぼうぜん)として考えも纏(まと)まらないうちに...
中島敦 「悟浄歎異」
...鈍根(どんこん)にさえ立派に出来る翻訳の下働きなどで日を暮らしているからである...
夏目漱石 「野分」
...「五郎八は駄目だ」「ヘエ――?」「生れながらの鈍根(どんこん)だな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...無學鈍根(どんこん)の男ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...無学鈍根(どんこん)の男ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...破戒せずといえども〈鈍根無慧...
南方熊楠 「十二支考」
...窮迫と不如意と、非才と鈍根に、独り泣くこと、しばしばだ...
三好十郎 「俳優への手紙」
...しょせん自分は地中の鈍根(どんこん)と...
吉川英治 「私本太平記」
...鈍根な貧乏性を頑(かたく)なに守っている吝嗇家(りんしょくか)のように...
吉川英治 「新書太閤記」
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