...妙に本間さんの論鋒(ろんぽう)を鈍らせた...
芥川龍之介 「西郷隆盛」
...常にその決心を鈍らす因襲の思想が頭脳のドコかで囁やいて制肘する...
内田魯庵 「二葉亭四迷」
...それがしの小説家が俄(にわか)に作才を鈍らして一時筆を絶ってしまったのも二葉亭の鉄槌を受けたためであった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...視力を鈍らせているように感ずる...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...またその四肢を鈍らしてイドメニュースに打たれしむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...これまでにも始終お増の決心を鈍らせた...
徳田秋声 「爛」
...あらゆるものの動作を鈍らせ...
豊島与志雄 「録音集」
...性行なども愚鈍らしく...
中島敦 「狼疾記」
...その上祐天がちっとも愚鈍らしくない...
夏目漱石 「明治座の所感を虚子君に問れて」
...五「あの島吉とかいう男はどうしたんだ」平次はフト愚鈍らしい庭男のことを思い出しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...鈍らされがちな考え方を鋭くするように絶えず努力することである...
野呂栄太郎 「名人上手に聴く」
...傍からその決心を鈍らせてくるあの未練に似ていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...こうして悪い条件に速力を鈍らされながら荷物をひっ張るようにいくらかずつよくなってゆくのが実際なのでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それだけ幸福及び快楽の享受に対しても彼らの感覚を鈍らせ弱くするという不便を後ろに伴っている」といわれれば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...我々の判断までも鈍らせてしまってはいけないのだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼らはQ城に対する怨恨の団結力を鈍らせて行くにちがひなかつたからである...
横光利一 「静かなる羅列」
...戦いに疲れた獣のように彼は足を鈍らせて部屋の外へ出ていった...
横光利一 「日輪」
...他のさまざまな欲望を鈍らせることです...
和辻哲郎 「すべての芽を培え」
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