...それがしの小説家が俄(にわか)に作才を鈍らして一時筆を絶ってしまったのも二葉亭の鉄槌を受けたためであった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...苛(いら)立ちながらもどうにも決断を鈍らせていたのであった...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...またその四肢を鈍らしてイドメニュースに打たれしむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...二人は日に日に上海行の計画を鈍らされて行った...
徳田秋声 「あらくれ」
...のみならず会社・工場に付属している各種の研究所の活動は一般的に云って活動をそれだけ鈍らされざるを得ないのであり...
戸坂潤 「技術の哲学」
...けっして鈍らない同情をいだかせられた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...人の感動を鈍らせ易いものだといふことが云へるとしても...
中原中也 「詩壇への願ひ」
...君の歩みを鈍らせるものを君は無視し...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...豕の普通に愚鈍らしきは豕が人に反(そむ)けるにあらず...
南方熊楠 「十二支考」
...鈍らせられていない良心の流露で...
宮本百合子 「美しく豊な生活へ」
...すっかり腰が立たなくおなりになったことが膀胱の活動をも鈍らせるのだそうです 麻痺によって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それだけ幸福及び快楽の享受に対しても彼らの感覚を鈍らせ弱くするという不便を後ろに伴っている」といわれれば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...従って稀有・新奇・困難・のために鋭くなる鉾先(ほこさき)を鈍らせることになる」と...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...用の働きを鈍らしてくる...
柳宗悦 「工藝の道」
...戦いに疲れた獣のように彼は足を鈍らせて部屋の外へ出ていった...
横光利一 「日輪」
...二晩つづきの睡眠不足はわたしの足を大分鈍らしてゐた...
若山牧水 「木枯紀行」
...特に恋愛の深いまじめな意味に対する感受性を鈍らせないために...
和辻哲郎 「すべての芽を培え」
...武士階級の威圧によってようやくその鋒先(ほこさき)を鈍らせた...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索