...不思議におれの心を鈍らせた...
芥川龍之介 「偸盗」
...常にその決心を鈍らす因襲の思想が頭脳のドコかで囁やいて制肘する...
内田魯庵 「二葉亭四迷」
...それがしの小説家が俄(にわか)に作才を鈍らして一時筆を絶ってしまったのも二葉亭の鉄槌を受けたためであった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...階級鬪爭を鈍らし...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...「こうっと……あすこは太兵衛さんや作造さんの家の墓があるところなんだが……そんな綺麗な坊っちゃんでお墓詣りをなさる人ちゅうと東京の方には違えねえんだが……病身らしい方でお藤さんという女中さんを連れて……お爺さんを連れた坊っちゃんちゅうと……一体誰だろうなあ?」とこの善良な遅鈍らしい百姓は腕組みをして考えていたが...
橘外男 「逗子物語」
...視力を鈍らせているように感ずる...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...二人は日に日に上海行の計画を鈍らされて行った...
徳田秋声 「あらくれ」
...働きが鈍らされたか知れないと思った...
徳田秋声 「あらくれ」
...後の祟(たた)りの恐ろしさがいつも心を鈍らせた...
徳田秋声 「爛」
...鈍らず満ち足らずしかも生きることに活発貪欲(どんよく)なこれらの魂を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...拔目のない私達の觀察眼を鈍らした爲めか...
南部修太郎 「猫又先生」
...五「あの島吉とかいう男はどうしたんだ」平次はフト愚鈍らしい庭男のことを思い出しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...傍からその決心を鈍らせてくるあの未練に似ていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...人生の煩いとなるもろもろの欲望や心配をだんだんに弱め鈍らせていることこそ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...悟性もこれを鈍らせなければならない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この炎は腕の力を鈍らせ消耗する...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...用の働きを鈍らしてくる...
柳宗悦 「工藝の道」
...特に恋愛の深いまじめな意味に対する感受性を鈍らせないために...
和辻哲郎 「すべての芽を培え」
便利!手書き漢字入力検索