...百合はさながら真珠の鈍い光りを帯びてゐた...
ウィリアム・バトラー・イエーツ William Butler Yeats 芥川龍之介訳 「春の心臓」
...その生命のニユアンスに對して俺は如何に鈍い感覺を持つてゐることだらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...とかく辷(すべ)り勝ちで足の運びは鈍い...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...門の内は鈍い色に沈んでゐた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...ムリに立たせた中国人の腹に鈍い音を響かせ...
田中英光 「さようなら」
...そして鈍い気倦(けだ)るいものの中に身を包まれてしまう...
田畑修一郎 「石ころ路」
...「それでなお不思議なことは」とブラウンは鈍い眼で庭の石楠花(シャクナゲ)を見やりながら続けた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...従来の研究では鳥の嗅覚ははなはだ鈍いものとされている...
寺田寅彦 「とんびと油揚」
...砲撃の鈍いとどろきなどが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...アメリカ人は非常に鈍いということが普通に言われる...
中谷宇吉郎 「勘」
...鈍い神経の方で相手にしないかも知れないが...
夏目漱石 「坑夫」
...ドユマアと云ふ医者と、エチアンヌと云ふ助手とが、鈍い器で付けた創だと云つたが、如何にもその通りで、その鈍い器は、僕の考では、あの中庭に敷いてある敷石だ...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...木製の重い棍棒(こんぼう)、あるいは鉄製の広い棒――椅子――なにか大きな、重い、鈍い形の凶器を、もし非常な大力の男の手で使ったなら、このような結果が起きたかもしれない...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...谷川の音の太い鈍い調子を破って...
森鴎外 「木精」
...鈍い微笑(ほほえ)みの浮かんだのを...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...この鈍い性質の底に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...さぶを鈍いやつだと云ったのは悪くちじゃあねえぜ」「そんなことわかってるわよ...
山本周五郎 「さぶ」
...いかにも印象の鈍い...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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