...ほど遠い所から聞こえてくる鈍い砲声...
有島武郎 「星座」
...弟は誰の神経でもいらだたせずにはおかないような鈍いしぶとさを臆面もなくはだけて...
有島武郎 「星座」
...外には鈍い陽光がさしている...
外村繁 「日を愛しむ」
...生娘(きむすめ)の役をしてる女優が「腐ったソースのような」鈍い声を出してると言ったり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...……男って決断力の鈍いものね...
豊島与志雄 「反抗」
...鈍い水音が聞こえた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...しかし、その鈍い光りは、時々小枝の隙間をとおして照らされている對象に、異樣な外見(ながめ)を與えるだけであった...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...ぽんと鈍い音がして...
直木三十五 「南国太平記」
...凹(くぼ)んだ鈍い眼を狡猾(こうかつ)らしく動かして...
夏目漱石 「道草」
...鈍い響で大地が呻き声を上げた...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...おおきに」かんは鈍いけれども...
火野葦平 「花と龍」
...何かものわかりの鈍いとされている児童の心をひどく打ったのである...
本庄陸男 「白い壁」
...ドリアンは鈍い眼ばたきをしたゞけでなほも動かなかつた...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...鼻根のところでひどく濃くなっている黒い眉は釣り上げられて、その眉の下から両眼がふしぎそうな、鈍い、冷たくあきれたような表情で、あらゆる品々を一々しばらく見つめる...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...女は鈍い緊張を感じて...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...不感動性だとか落ちついた・あるいは鈍い・感受性だとかいう武器をくれた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...筆跡の却つて鈍いものがある...
柳宗悦 「赤絵鉢」
...例の大きい鈍い瞳を閉ぢて...
若山牧水 「姉妹」
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