...これは病人としていつもありがちのことだ」單四嫂子は感じの鈍い女の一人だったから...
魯迅 井上紅梅訳 「明日」
...取り亂したやうな締りの鈍いやうな笑い聲で...
高濱虚子 「俳諧師」
...この鈍いノロノロした犬の血管の中に...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...其れ以外にも少し金銭上の取引きがあつてそんな事には頭脳(あたま)の働きの鈍い津島に...
徳田秋声 「風呂桶」
...眼の視力の鈍い、どこかきかぬ気らしい、白蝋の面のようなその顔は、涙にふさわしくなかった...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...……男って決断力の鈍いものね...
豊島与志雄 「反抗」
...カリグラに関しては刃が鈍いであろう...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...闇(やみ)の中に鈍いうなり声を発してるのを聞いた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...腕が鈍いって……」「わしが云うたのじゃない...
夏目漱石 「草枕」
...適当な刄の鈍い個所があるからと...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...日本人は、松葉のように細い、鈍い白眼で、博士と博士の椅子(いす)を凝視していた...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...此の頃の自分の鈍い心は常に低い程度でうらはらに動くばかりの気がしてゐた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...鈍い灯火の光りを浴びてゐる...
牧野信一 「鬼の門」
...硝子は銅のやうな鈍い光を放ツてゐた...
三島霜川 「解剖室」
...そのはらわたの鈍い月光の虹...
宮澤賢治 「うろこ雲」
...色硝子の窓が鈍い...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「駆落」
...海水は鈍い銀色の光を放っている...
ハンス・ランド Hans Land 森鴎外訳 「冬の王」
...鈍い空気が顔を撲(う)って胸が詰まるような気がした...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
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