...平常(いつも)は死んだ源五郎鮒の目の樣に鈍い目も...
石川啄木 「雲は天才である」
...頭に被さつた鈍い圧迫が何時しか跡なく剥げて了つて...
石川啄木 「病院の窓」
...鈍い歩調(あしどり)で二三十歩...
石川啄木 「病院の窓」
...そこで鈍いうなりが急に高い叫びになっている...
小泉八雲 田部隆次訳 「幽霊滝の伝説」
...雲間漏る夕日の鈍い光を浮べて唯とろりとして居る...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...少しく南に廻った鈍い日脚が...
豊島与志雄 「秋の幻」
...然るに今突然自分は此の黄色な鈍い石油ランプの火影に接して何とも云へぬ不思議な慰安を覚えた...
永井荷風 「海洋の旅」
...真昼の暑熱が漸く鈍い渾然さをみせた夕刻の空気の中を...
中原中也 「医者と赤ン坊」
...蜘蛛の巣のやうな鈍い眼光で見入りながら...
中原中也 「校長」
...三味線の一の絃のみ掻き鳴らし時雨通りぬ文書ける時巴里の夫の所へ遣る文を書いてゐるとばらばらと少し鈍い音の時雨が通つた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...そのとき村の真ん中から正午を知らせる鈍い鐘の音が出し抜けに聞えてきた...
堀辰雄 「楡の家」
...それから突然、家のなかの他の側から、鈍い、抑へつけられたやうな物音が聞えてくる...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から」
...脳の鈍いのはあんまり自慢にもならんでないか」大原「それがね...
村井弦斎 「食道楽」
...明り窓から射す鈍い光線でよく見ると...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...小さい時から聞き馴れた、大きい、鈍い、コントルバスのような木精の声である...
森鴎外 「木精」
...凪(な)いだ海の鈍い波の音を...
ハンス・ランド Hans Land 森鴎外訳 「冬の王」
...私は何も彼を鈍い眼の人だとか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...甲谷の鈍い酔体を眺めたまま...
横光利一 「上海」
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