...地の下から鈍い深みのある音が聞えました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...鈍い光りを放っている棒の様なものだ...
江戸川乱歩 「鬼」
...業(わざ)がいささか鈍いため...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...右を見ても左を見ても青い蘆の葉に鈍い鉛色の水が続きそのまた水に青い蘆の葉が続いて見える...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...はじめは陰にこもった鈍い響きであったが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...袋の繊維はなかなか強靱(きょうじん)であるので鈍い鋏の刃はしばしば切り損じて上すべりをした...
寺田寅彦 「簔虫と蜘蛛」
...さぞ泰然自若とした鈍い軽蔑の目でわたしを眺めることだろう...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...隣家の肉屋の肉切包丁の鈍い音...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...苫(とま)のかげから漏れる鈍い火影(ほかげ)が...
永井荷風 「深川の唄」
...ハツキリした形にならないまま鈍い頭の中で渦(うづ)を巻いてゐた...
中戸川吉二 「イボタの虫」
...鈍い銀色に光る岩の間を...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...それはなにか鈍い形の道具でやったものだと言っている...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...が、顏を見ると、光のない鈍い眼、小鼻の廣い平たい鼻、硬さうな黒い皮膚がどうしても愚かものらしく彼れを見させた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...伝わつて来る鈍い列車の響)(先程工夫が歌ひながらやつて来たのと同じ方向からフラフラと出て来る男...
三好十郎 「地熱」
...鈍い柔な音の間々(あいだあいだ)に...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...わたしは生れつき鈍い感受性*を持っている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「おれのこの鈍い頭では...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...その鈍いほのかな色の調子には...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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