...やはり同じく無関心な鈍いざわめきを続けるのであろう...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...階下(した)からは時どき鈍い呻き声が伝わって来た...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...「遣ってやれんこともないね」感じが鈍いのか...
徳田秋声 「あらくれ」
...その時の彼の心理は鈍い庸三に解(わか)るはずもなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...鈍い灰色の雲の中から飛行機の爆音が間斷なく降つてゐた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...鈍い退屈な荷馬車のゴトゴトゴトゴトという音だけがきこえてきた...
徳永直 「冬枯れ」
...「ホホホホ一番あなたによく似合う事」藤尾の癇声(かんごえ)は鈍い水を敲(たた)いて...
夏目漱石 「虞美人草」
...凹(くぼ)んだ鈍い眼を狡猾(こうかつ)らしく動かして...
夏目漱石 「道草」
...鉛のように重い鈍い心に押えつけられた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...遂(つい)には唯(ただ)の清酒は利(き)きが鈍いなんてブランデーだのウ※スキーだの飲む者があるが...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...だが算術的能力に鈍い僕には...
牧野信一 「「或る日の運動」の続き」
...想像力の鈍い彼には...
牧野信一 「蝉」
...チヨツ! 鈍い奴だなあ! よしツ俺が見る!」と山崎は...
牧野信一 「素書」
...この男の低い、鈍い、小言を言ふやうなバスの音がたび/\己を驚かして、己に今まで聞いたオヂツセエめいた話の節々を思ひ出させるのである...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...凪(な)いだ海の鈍い波の音を...
ハンス・ランド Hans Land 森鴎外訳 「冬の王」
...これも実際は注意が鈍いためで...
柳田國男 「和州地名談」
...かすかに鈍い水の音がひびいた...
山川方夫 「箱の中のあなた」
...甲谷の鈍い酔体を眺めたまま...
横光利一 「上海」
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