...跡は小屋も畑も霜のために白茶けた鈍い狐色(きつねいろ)だった...
有島武郎 「カインの末裔」
...平常(いつも)は死んだ源五郎鮒の目の様に鈍い眼(まなこ)も...
石川啄木 「雲は天才である」
...地の下で大砲を撃つてゐるやうな鈍い爆音が微かに聞える...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...鈍い音響が、水中を伝わってきた...
海野十三 「地球要塞」
...道具の鈍いのは難で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...私はその鈍い流れを眺めて放心した...
太宰治 「津軽」
...『感受性が鈍い』とか言つてゐるが...
田山録弥 「孤独と法身」
...かの鈍い花飾りのついた鏡の中に封じ込められた圧力的な存在ないし存在たちを見...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...叔母は鈍いうっとりした目を開いて...
徳田秋声 「足迹」
...……男って決断力の鈍いものね...
豊島与志雄 「反抗」
...進む浪人も、退いた浪人も、草に滑った刹那「ええいっ」右頭上八相に構えていた一人が、閃電(せんでん)の如く――ぱあっ、と鈍い音と共に、つつと上った血煙――「うわっ」と、遠巻にしていた旅人、駕屋が、自分が斬られたように叫んで、顔色を変えて、二三間も逃げた...
直木三十五 「南国太平記」
...プスリと鈍い音をたて...
中村地平 「悪夢」
...ずずずずずんと重く鈍い...
牧逸馬 「運命のSOS」
...――お前は頭が鈍いから説明してやるが...
牧野信一 「或る五月の朝の話」
...」頭の鈍い父と息子は...
牧野信一 「父を売る子」
...土を叩く鈍い音がドシン...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...鈍い沈んだ心持に体を任せていたのである...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...しかし異常な鈍い響きが船の下で起つた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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