...口と目が釣り合いを失(しっ)して...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...彼との釣り合いを気にしているようだった...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魔性の女」
...もともとこういう相手に恋するなぞということが当人としては釣り合いの取れぬ間違いの元だったのでしょうが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...その身長との不釣り合いのために一層人を威壓したことは...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...兄さんは危うくお父さんを殺すような目に会わして……のろいのことばまで吐いて来たくせに……もう今は……こんなとこで冗談なんか言うんですか……『財布か命か』なんて!」「それがどうしたというんだい? いけないっていうのかい? おれの分際に不釣り合いだというのかい?」「いいえ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...どちらも身体の縦と横との釣り合いが変調をきたし...
永井隆 「長崎の鐘」
...それで経営上からいえば、北海道で四年に一度くらい冷害があることと、コロラドでやはり三、四年に一度雹害があることとが、丁度釣り合い、あと作付期間は両者ほとんど同じということになる...
中谷宇吉郎 「コロラド通信」
...よく釣り合いのとれた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...家と不釣り合いなほどだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...すっかり釣り合いきらなかった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...眼は不釣り合いに小さく輝く...
南方熊楠 「十二支考」
...ただ人を悩乱せしめるばかりでなく、大きい人生に包まれたる力というものの千種万様な現われを捕えて、形、釣り合い、あるいは美しい気分の平衡より来る喜悦、情熱を内心に押え貯うる時の幸福、そういうものを現わそう...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
...本尊の姿の釣り合いは...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...その官能は馥郁(ふくいく)たる熱国の香料と滑らかな玉の肌ざわりと釣り合いよき物の形とに慣れている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...柱の太さと堂の大きさとの釣り合い...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...五重塔の各層を勾配と釣り合いとでただ一本の線にまとめ上げた微妙な諧調...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...(1)布価と米価との釣り合いは時代とともに非常に変わっている...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...不釣り合いに大きい犠牲を払っても目前の一事を貫ぬこうとする...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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