...重い束(たば)を天井に一杯釣り上げ...
海野十三 「空襲葬送曲」
...コウゾの長い綱を延ばして釣をする海人(あま)の釣り上げた大きな鱸(すずき)をさらさらと引き寄せあげて...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...徐々に釣り上げられてゆく...
太宰治 「走れメロス」
...何度かこの夜釣りに誘われながら何度いっても私は釣り上げるたびに悲鳴をあげた...
壺井栄 「瀬戸内の小魚たち」
...ビルディングの屋上に釣り上げられた愛子はどんな事になるかわからず...
野村胡堂 「九つの鍵」
...そこにはゆうべ愛子を釣り上げた綱や鎖がそのままになっており...
野村胡堂 「九つの鍵」
...釣り上げた魚に殺されそうになったんだ...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
......
前田普羅 「普羅句集」
...その句行き/\てこゝに行き行く夏野かな朝霧や杭打つ音丁々たり帛を裂く琵琶の流れや秋の声釣り上げし鱸(すずき)の巨口玉や吐く三径の十歩に尽きて蓼(たで)の花冬籠り燈下に書すと書かれたり侘禅師(わびぜんじ)から鮭に白頭の吟を彫る秋風の呉人は知らじふぐと汁右三種類の外に春水や四条五条の橋の下の句は「春の水」ともあるべきを「橋の下」と同調になりて耳ざはりなれば「春水」とは置たるならん...
正岡子規 「俳人蕪村」
...鼻根のところでひどく濃くなっている黒い眉は釣り上げられて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...ほとんど眼を釣り上げんばかりになっていて...
三好十郎 「冒した者」
...第一そうやってポーッとして眼え釣り上げていると...
三好十郎 「鈴が通る」
...しばらくして鯰を三匹釣り上げた...
武者金吉 「地震なまず」
...私はこの錘を垂れて人生からさらに何物かを釣り上げようとしているのかと...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...病人は釣り上げた鯉(こい)のように...
森鴎外 「カズイスチカ」
...魚は釣れずに握り拳ほどの石を一つ釣り上げました...
柳田國男 「日本の伝説」
...眦(まなじり)をキリキリと釣り上げた...
夢野久作 「名君忠之」
...錨(いかり)で釣り上げ投げつける起重機や...
横光利一 「微笑」
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