...この花瓶は金縁が美しい...
...金縁の額になって顕われたのであるから...
泉鏡花 「薄紅梅」
...そんな時には屹度(きつと)丸髷(まるまげ)に金縁眼鏡(きんぶちめがね)をかけて...
薄田泣菫 「茶話」
...金縁の眼鏡を掛けた色の生つ白い三十餘りの人に出逢つた...
高濱虚子 「俳諧師」
...金縁眼鏡をかけていた丸顔の横顔や様子が...
徳田秋声 「足迹」
...金縁眼鏡をかけて...
徳田秋声 「爛」
...金縁(きんぶち)眼鏡の紳士林檎柿など山の如く盛りたる皿を小脇(こわき)にかゝへて「分捕々々(ぶんどり/\)」と駆けて来たまふなど...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...先づ南面の壁上に掛れる金縁の大額を説明して曰く...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...金縁眼鏡で顳(こめかみ)をはさみつけ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...膝の小型な金縁の書物に眼を落しながら...
豊島与志雄 「小説中の女」
...メスメルとその小桶(訳者注 メスメルは動物磁気研究の開祖)に関するきわめて不思議な記録を赤いモロッコ皮の表紙で金縁にしてとじ上げた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...わざとらしく脱(はず)した黒い金縁眼鏡(きんぶちめがね)の曇りを拭きはじめた...
永井荷風 「すみだ川」
...華奢(きゃしゃ)な金縁のなかに暖かく包まれている...
夏目漱石 「虞美人草」
...金縁の紳士は、若い女を顧みて、私の姪(めい)ですと云った...
夏目漱石 「それから」
...君はそう思わんかね」と金縁の眼鏡の奥を見る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...金時計の金鎖をチョッキにのぞかせ、眼鏡も金縁、ステッキの握りも金...
火野葦平 「花と龍」
...それが何(いづ)れも金縁(きんぶち)の額(がく)になつて南側の壁間(かべ)に光彩(くわいさい)を放つてゐる...
三島霜川 「平民の娘」
...金縁の目金を掛けている...
森鴎外 「あそび」
...金縁の鼻眼鏡に斑白の顎髯のある頑丈な中年輩の紳士であった...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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