...彼の名前は金文字で書かれていた...
...紅に金文字のびらを貼れる...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...破れた額(へんがく)があって「古(こ)×亭口(ていこう)」の四つの金文字(きんもじ)が煤黒(すすぐろ)く照らされていた...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...書棚(しょだな)に多く立ち並んでいる金文字...
岩野泡鳴 「耽溺」
...この硯は永年座右に愛用致しまして蓋の金文字がすっかり消えてしまいましたが...
上村松園 「想い出」
...背表紙の金文字が...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...その都度書物の背の金文字は藪睨みのような眼つきをして...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...背の金文字は暗い書架の中での便宜から出た...
高村光太郎 「装幀について」
...燦然と背の金文字を輝やかすことになった...
中谷宇吉郎 「百科事典美談」
...金文字の甲羅(こうら)を干(ほ)している...
夏目漱石 「野分」
...えりに金文字刺繍(ししゅう)のホテル名が見えた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...灰色に太き金文字を印したる表紙を憶えてゐるのみである...
牧野信一 「余話(秘められた箱)」
...つりあいよく並べられた金文字の銘を表わしていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...「デリ」と赤地に金文字つきの平ったい箱から巻タバコを出し...
「赤い貨車」
...金文字(きんもじ)で書いた大きな旗(はた)がヒラヒラしているのを見て...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...地袋を開くと中に新刊らしい書籍が薄暗の中から金文字を輝かしている...
山下利三郎 「誘拐者」
...書籍の背皮に光る金文字が気を焦つ閑枝の目にチラチラとうるさく映った...
山本禾太郎 「仙人掌の花」
...その幕の中央には眼も眩ゆい黄金色の巨大な金文字で「天川呉羽嬢へ」「段原万平」と刺繍してあった...
夢野久作 「二重心臓」
...つねに刺繍(ししゅう)金文字の二旒(りゅう)の長い紅旗がひるがえり...
吉川英治 「新・水滸伝」
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