...彼の名前は金文字で書かれていた...
...金文字でたんに“Mutual(ミューチュアル)Aid(エイド)”とだけ書いてあった...
有島武郎 「星座」
...破れた額(へんがく)があって「古(こ)×亭口(ていこう)」の四つの金文字(きんもじ)が煤黒(すすぐろ)く照らされていた...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...古ぼけた蝦茶色(えびちゃいろ)の緞帳(どんちょう)に金文字で「銀平曲馬団」と銘がうってあったのには...
海野十三 「三人の双生児」
...神の御名(みな)を金文字で大きく書いてある部分は残らず叮嚀に切取ってある...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...其下の句を金文字で臙脂色の其達摩の背にやさしく平假名で書かせた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...真っ白な大理石の板に金文字で彫ってあった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...黒い漆地(うるしぢ)に金文字で書かれた毳々(けばけば)しい看板が...
中戸川吉二 「イボタの虫」
...向側(むこうがわ)の硝子戸(ガラスど)のなかに金文字入の洋書が燦爛(さんらん)と詩人の注意を促(うな)がしている...
夏目漱石 「虞美人草」
...その中に詰まっている金文字の名前が悉(ことごと)く西洋語であるのに気が付いて驚いた事がある...
夏目漱石 「『東洋美術図譜』」
...金文字の甲羅(こうら)を干(ほ)している...
夏目漱石 「野分」
...鮮(あざや)かに叩(たゝ)き込(こ)んである金文字(きんもじ)を眺(なが)めた...
夏目漱石 「門」
...灰色に太き金文字を印したる表紙を憶えてゐるのみである...
牧野信一 「余話」
...硝子(ガラス)のドアーへ金文字の屋号店名と入れ代って...
山本笑月 「明治世相百話」
...書籍の背皮に光る金文字が気を焦つ閑枝の目にチラチラとうるさく映った...
山本禾太郎 「仙人掌の花」
...表紙はズット大型の黒い皮表紙なんで……HOLY・BIBLEと金文字の刻印が打込んであって...
夢野久作 「悪魔祈祷書」
...新しい智識や情緒を詰込んだ金文字の権威を見せるのは...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...大抵は英語の金文字一字ッキリだからしようがない...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...つねに刺繍(ししゅう)金文字の二旒(りゅう)の長い紅旗がひるがえり...
吉川英治 「新・水滸伝」
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