...夕ぐれ野路を辿(たど)りて黄に咲ける小花を摘み...
石川啄木 「閑天地」
...遠足の野路の子供の列途切(とぎ)れ四月二十五日 玉藻俳句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...その二つの野路がいつまで行っても出逢わぬという点に私の心はさびしく躍るのでありまして...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...父の跡をつけて野路を行き...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...真蒼な野路を光って通る...
中島敦 「鏡花氏の文章」
...今度は野路(のじ)や空云々という題句やら書体やらについて語り出した...
夏目漱石 「門」
...陽炎(かげろう)や名も知らぬ虫の白き飛ぶ更衣(ころもがえ)野路(のじ)の人はつかに白し絶頂の城たのもしき若葉かな鮒鮓(ふなずし)や彦根(ひこね)の城に雲かかる愁ひつつ岡に登れば花いばら甲斐ヶ嶺(かいがね)や穂蓼(ほたで)の上を塩車(しおぐるま)俳句というものを全く知らず...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...その外衣がへ野路の人はつかに白し蚊の声す忍冬(にんどう)の花散るたびに水かれ/″\蓼(たで)かあらぬか蕎麦か否かの如きあり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...野路の中の立話にも自家の田の出来の悪さを吹聴し合う嘘も混っていて...
横光利一 「夜の靴」
...暮れかたむいて来る芒の中の野路には人影もなかった...
横光利一 「旅愁」
...野路を歩いていた...
吉川英治 「剣の四君子」
...高野路の諸所も手配りが行き渡っているとか...
吉川英治 「私本太平記」
...嬰児(やや)が乳をせがみ出す頃……」野路をいそぐ男の胸に...
吉川英治 「私本太平記」
...また武蔵野の野路(のじ)を分けて...
吉川英治 「私本太平記」
...湖を渡り山をこえ野路をいそぎ...
吉川英治 「新書太閤記」
...尾野路山の間道や...
吉川英治 「新書太閤記」
...わが夫(つま)は何処の野路を……?」思うにつけ...
吉川英治 「日本名婦伝」
...今までよりは嶮しい野路の登りとなつてゐた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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