...神田祭の晩肌守(はだまも)りに「野路(のじ)の村雨(むらさめ)」のゆかたで喉をきかせた時だったと云うが...
芥川龍之介 「老年」
...それから町を離れて一つの野路を行くと川があつて...
高浜虚子 「椿子物語」
...日は昇っても人の通りは尠(すくな)い秋の野路...
中里介山 「大菩薩峠」
...真蒼な野路を光って通る...
中島敦 「鏡花氏の文章」
...陽炎(かげろう)や名も知らぬ虫の白き飛ぶ更衣(ころもがえ)野路(のじ)の人はつかに白し絶頂の城たのもしき若葉かな鮒鮓(ふなずし)や彦根(ひこね)の城に雲かかる愁ひつつ岡に登れば花いばら甲斐ヶ嶺(かいがね)や穂蓼(ほたで)の上を塩車(しおぐるま)俳句というものを全く知らず...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...更衣(ころもがえ)野路(のじ)の人はつかに白し春着を脱いで夏の薄物にかえる更衣(ころもがえ)の頃(ころ)は...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...ああかの野路こそいと戀ひしや...
萩原朔太郎 「絶句四章」
...はるかに眺むれば曲りたる野路も...
福沢諭吉 「学者安心論」
...其早桶は二人の人夫にかかれ二人の友達に守られて細い野路を北向いてスタスタと行っておる...
正岡子規 「死後」
...その外衣がへ野路の人はつかに白し蚊の声す忍冬(にんどう)の花散るたびに水かれ/″\蓼(たで)かあらぬか蕎麦か否かの如きあり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...野路を群れて行くさまは絵であった...
柳田国男 「雪国の春」
...十四野路では霜柱が崩れ始めた...
横光利一 「南北」
...本野原の野路(のじ)のかぎり...
吉川英治 「私本太平記」
...嬰児(やや)が乳をせがみ出す頃……」野路をいそぐ男の胸に...
吉川英治 「私本太平記」
...行く先々の野路(のじ)や郷(さと)には...
吉川英治 「私本太平記」
...四方田(しほうでん)政孝は、「はや、酉(とり)の刻」と、空を仰いで、発足(はっそく)の心支度を人々へうながしながら、「これよりは、野路山路、およそ京まで五里、おそくもほのぼの明けには、本能寺をひた巻きになし得る...
吉川英治 「新書太閤記」
...尾野路よりここを横切って...
吉川英治 「新書太閤記」
...野路や山路の雪が解けると共に...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索