...十円は母からことずかって兄貴と自分の野良着に仕立てる紺木綿を買う予定のもの...
犬田卯 「錦紗」
...これも嘘なぞは絶対に言えそうもない物堅い一徹らしいやはり野良着の田舎おやじであった...
橘外男 「逗子物語」
...時々「どうじゃな! これはよくできたと思うんじゃが一つ飾ってみといて下さらんか! 飽きればまた取り換えて上げるじゃで!」と秘蔵娘でも貸してくれるように汚ねえ野良着(のらぎ)でヒョコヒョコと植木鉢を提(さ)げて裏口からはいって来る...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...昨日あたりから起きてストーブのそばで夫の野良着のつくろひなどいたしてをります...
辻村もと子 「早春箋」
...野良着のシャツを着て...
徳永直 「麦の芽」
...野良着を着て胡瓜をもいでいた時の姿は...
中谷宇吉郎 「コロラド通信」
...肘(ひじ)の抜けた野良着...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...野良着で、手に鎌を持っているキヌの方はススキの林のなかに、あおむけにひっくりかえって、「やあれ、もう、狐さんたちが鳴き騒いどらあ」と、のんきたらしく独りごとをいいながら、無意味に、バサッ、バサッと、ススキをたたき切っている...
火野葦平 「花と龍」
...野良着だのを分けて貰って生計を立てて来たのであった...
宮本百合子 「秋の反射」
...(その時右手から野良着のままのオヤヂが酔つてユデダコの様に赤い顔に手拭ひ頬被り...
三好十郎 「妻恋行」
...継ぎはぎだらけの野良着を着...
山本周五郎 「風流太平記」
...兼ねてから誤魔化(ごまか)しておいた小遣いで古い学生服を買って野良着の上から巧みに着込み...
夢野久作 「巡査辞職」
...甚内は」「ただいま山畑からこれへ連れまいりまする」そこへ野良着の半農半武士ていの男がまもなく呼ばれて来て...
吉川英治 「私本太平記」
...主従ともに野良着はつけているが...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...鍬をしまい野良着をぬぎ外(はず)して...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...野良着を平常のものに着更(きか)えて...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...野良着のまんまの農家の主婦が...
若杉鳥子 「旧師の家」
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