...彼の子供たちもまた、ぼろぼろのなりをして、野育ちで、まるで親のない子のようだった...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...この狐さへ頤使(いし)する野育ちの武人の顔を...
芥川龍之介 「芋粥」
...A 僕は殆んど野育ちだから...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...謂(い)わば野育ちの子でありますから...
太宰治 「ろまん燈籠」
...片田舎の野育ちで...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...人馴(ひとな)れない野育ちの自尊心とが錯雑(さくざつ)して起す神経的な光りに見えた...
夏目漱石 「明暗」
...奥さんは野育ちな人だけに...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...まるで野育ちのやうに...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...野育ちだから、生来具有の百の欠点を臆面もなく暴(さら)け出して、所謂(いわゆる)教育ある人達を顰蹙(ひんしゅく)せしめたけれど、其代り子供の時分は、今の様に矯飾(きょうしょく)はしなかった...
二葉亭四迷 「平凡」
...まだ野育ちでかなはん...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「あれは野育ちだからどうせ侍ではおさまるまい...
山本周五郎 「桑の木物語」
...もっとも野育ち同様で...
山本周五郎 「花も刀も」
...いかにも武蔵野育ちらしい野性と精悍(せいかん)さをその顔骨にあらわして...
吉川英治 「江戸三国志」
...ここの家中は小六党出の野育ちな武士が中心となっている...
吉川英治 「新書太閤記」
...おれっちは根っからの野育ち野郎...
吉川英治 「新・水滸伝」
...やはり野育ちの素白な性質――あの浪人骨のぶとい所にあるやに存ぜられますので...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
...自分の剣がいかに野育ちの型も理もない我法(がほう)であるかがよく分ることだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...くわっとすると野育ちの荒気が出る...
吉川英治 「宮本武蔵」
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