...今向うからやって来る氏の顔を見て逃げ出したのでは錐(きり)のようになっている敏感な氏は瞬間に万事を悟って誰彼の容赦なく...
海野十三 「三角形の恐怖」
...敏感な田所検事を不審(ふしん)がらせた...
海野十三 「爆薬の花籠」
...そんな事には敏感なんだ...
太宰治 「乞食学生」
...敏感など――要するに一語で正確な訳語がないが「デリカシー」というひけめは一切持ち合せていない...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...彼の動作は敏感な紳士のように神経質的で内気だった...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「入院患者」
...ひどく敏感なようである...
外村繁 「日を愛しむ」
...敏感な少年でしたので...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...また人のこころも世界で有数な敏感な民族であるにちがいない...
中井正一 「映画と季感」
...敏感な人がそばにいることに気がつかない...
永井隆 「この子を残して」
...ちょっと敏感なところがありますの...
久生十蘭 「キャラコさん」
...とりわけ敏感な花世には...
久生十蘭 「無月物語」
...敏感な君のことだからとうにそれに気づいて居られるのであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...敏感なる歐羅巴の文藝批評家に鑑賞の歡喜を與ふる事なく...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...性分もよほど敏感なのだろう...
山本周五郎 「菊千代抄」
...ちょうどその最も敏感な弱点をドン底まで刺戟する...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...敏感な蘭丸は、――これはただ事でない...
吉川英治 「新書太閤記」
...がさ、がさと、心蓮の足に、落葉が踏まれてゆくのが、敏感な動物に、人間を感じさせたものとみえ、やがて不意に間近な樹蔭から、――わ、わ、わんッ!発狂しているような犬の声が猛り立った...
吉川英治 「親鸞」
...そうしてその力と智慧とが敏感な心に一瞬の光を投げることを否むわけに行かない...
和辻哲郎 「停車場で感じたこと」
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