...野卑陳套の曲を反復して...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...彼をその野卑な周囲からさえぎってしまった...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...街じゅうが野卑な無学さや貪慾や叱責や不潔さや...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...パリーのよき趣味によって罰せられた野卑なドイツ人を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...野卑でありながらまた同時に狡猾(こうかつ)で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それら野卑無作法な馬車には...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それに比べると、蜀山人(しょくさんじん)が、松平定信の改革を諷して、世の中に蚊ほどうるさきものはなし文武といひて夜も眠られずは、露骨にして、下品で、野卑だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...半ば習慣的に繰返される野卑なる哀音も...
中里介山 「大菩薩峠」
...かういふ野卑な対話でも私は平生ならば幾分の興味を持つたであらうが其日はいつまでも聞いて居ることが出来なかつた...
長塚節 「隣室の客」
...金五郎 (斜めの径の中程で、長脇差の鍔(つば)を鳴らす)鳥羽田(とばた)要助、酒毒で顔に赤い斑がある、袴、足駄穿き、武芸の心得あり気で、野卑な浮浪人...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...好みが野卑! だとかなどゝ正面から反撥した自分こそ...
牧野信一 「小川の流れ」
...源十氏は屡々これらの野卑極まりもない風習に関して...
牧野信一 「月あかり」
...まことに極りもなく野卑であり...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...あたかも東洋の美術に心酔する者が西洋の美術をもってことごとく野卑なりとして貶(へん)するがごとし...
正岡子規 「俳人蕪村」
...すなわち野卑なおどけた愚作のまんなかで...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...見て感じの悪いような野卑な僧などがあとへあとへとこのごろはたくさん来るのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...少し野卑なことを申しまするけれども...
森鴎外 「假名遣意見」
...更に一層拙悪野卑な散文の横書きを以て詩歌の名を僭しているのです...
与謝野晶子 「教育の民主主義化を要求す」
便利!手書き漢字入力検索