...▲自働車の上なら悠然と沈着て読書は本より禅の工風でも岡田式の精神修養でも何でも出来そうだが、電車は人間を怯懦にし、煩瑣にし、野卑にし、放肆(ほうし)にする...
内田魯庵 「駆逐されんとする文人」
...第一言語からして野卑で...
内田魯庵 「最後の大杉」
...「惚れられる」というような野卑な言葉に依って生じるやにさがった雰囲気(ふんいき)に対して...
太宰治 「人間失格」
...街じゅうが野卑な無学さや貪慾や叱責や不潔さや...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...それら野卑無作法な馬車には...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...芭蕉のいはゆる正風(しょうふう)を称道したるは按(おも)ふに当時俳諧師の品性甚(はなはだ)堕落しつづいて俳諧本来の面目たりし軽妙滑稽の意義随(したが)つて甚(はなはだ)俗悪野卑に走りしを見て...
永井荷風 「江戸芸術論」
...足らぬ勝ちなる生活は次第に野卑となつて礼儀交際の美観を許さず...
永井荷風 「海洋の旅」
...こゝに居住する市民の年々野卑暴戻となるは當然の事であらう...
永井荷風 「十年振」
...演藝野卑陋劣観るに堪えず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...言葉が野卑に過ぐる...
中里介山 「大菩薩峠」
...またある時はみずから野卑(やひ)と称するほど謙遜(へりくだ)る...
新渡戸稲造 「自警録」
...吐きかけた野卑な雑言に過ぎなかつた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...自分の立場ばかりを野卑に賑はしく吹聴したといふ父の姿は...
牧野信一 「蔭ひなた」
...何か斯る野卑な不満以外に...
牧野信一 「毒気」
...まことに極りもなく野卑であり...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...あたかも東洋の美術に心酔する者が西洋の美術をもってことごとく野卑なりとして貶(へん)するがごとし...
正岡子規 「俳人蕪村」
...少しでも野卑な詞...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...それはほとんど野卑獰猛(どうもう)な李楽の手下ばかりだった...
吉川英治 「三国志」
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