...しばらくのあいだは南の丘辺はいかなる野卑なざれごとをもこだまさせない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...ナポレオンにはもっと野卑な処がある...
高村光太郎 「人の首」
...「惚れられる」というような野卑な言葉に依って生じるやにさがった雰囲気(ふんいき)に対して...
太宰治 「人間失格」
...訴訟の男は肉食の鳥を野卑にし...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...与えないのみならず、あらゆる野卑と、悪戯(いたずら)と、不行作(ふぎょうさ)と、かけごと勝負と、だまし合いとを奨励して興がるかの如く見ゆる...
中里介山 「大菩薩峠」
...半ば習慣的に繰返される野卑なる哀音も...
中里介山 「大菩薩峠」
...我々の尊ぶ自由というはかくの如き野卑なものでない...
新渡戸稲造 「デモクラシーの要素」
...金五郎 (斜めの径の中程で、長脇差の鍔(つば)を鳴らす)鳥羽田(とばた)要助、酒毒で顔に赤い斑がある、袴、足駄穿き、武芸の心得あり気で、野卑な浮浪人...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...少しも野卑なる処はなく...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...意匠の野卑と相待って純然たる俗俳句となり了(おわ)れり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...意匠の野卑と相待て純然たる俗俳句となりをはれり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...俳諧師といはんには彼は余り野卑なり...
正岡子規 「古池の句の弁」
...野卑な言葉を遣うはずがない...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...「しかし此女にも女がもつ共通の野卑と淫逸とが濳んでゐるかもしれない...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...野卑(やひ)な博労ことばで...
吉川英治 「江戸三国志」
...それはほとんど野卑獰猛(どうもう)な李楽の手下ばかりだった...
吉川英治 「三国志」
...散所芸人たちの野芝居は、野卑で、淫猥(みだら)で、人間の皮を剥(む)いて見せるように開けッぴろげな芸であったが、しかし少しも暗くはなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...相手の人格が頑固野卑である場合には...
和辻哲郎 「生きること作ること」
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