...すると糸は蜘蛛の体の重味で糸嚢からひき出される...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...皆もその重味をもつた気持のいゝアルトで歌ふやうにその唇からすべり出す外国語はその発音に於てもすべての点で校長先生のそれよりもずつと洗練されてゐて...
伊藤野枝 「惑ひ」
...そこにひとつの重味のある沈黙というものを示していた...
大島亮吉 「涸沢の岩小屋のある夜のこと」
...何カ鉄板ノヨウナ重味ノアルモノガ足ノ裏ヘペッタリ貼リ着イテイル感ジデアル...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...そして口をきくほうにかけてもかなり重味(おもみ)があると人から思われていた...
田山花袋 「田舎教師」
...両刀の重味がどうにも身にこたえるようで...
中里介山 「大菩薩峠」
...最初から不相応な重味とは見ていたのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...肩にかけた何か特別に重味のある一個の袋を...
中里介山 「大菩薩峠」
...妄想の重味だけが盥を動かなくさせてゐるばかりだらう……私は...
牧野信一 「或る日の運動」
...風笛(サイレン)のやうに凄じい音もたてかねまじき勢ひで程好い重味を持つた振子は...
牧野信一 「海棠の家」
...私は今もありありその時のTの手の重味というか...
正岡容 「わが寄席青春録」
...つかむと同時に全身の重味で倒れかゝつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...切り下げの白っぽい着物の上に重味のありそうな羽織を着た年寄りのわきにぴったりとついて長い袂の大きな蝶の飛んで居る着物にまっ赤な帯を小さく結んで雪踏(せった)の音を川の流れと交って響かせて行く若い女の様子を仙二は恐ろしい様な気持で見た...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...そして文筆も必して商売的でなくみっちりと重味のある考え深いしまった調子で書かなければなりません...
宮本百合子 「現今の少女小説について」
...重味というようなものも添ってきてりっぱな貴婦人と見えた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...決してそれの深味や重味に負けていないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...持ちよき形と相応しき重味...
柳宗悦 「工藝の道」
...とにかく古典的な重味を持ったかなりの大作であった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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