...雪の重味が、いよいよ屋根のうえから加わったのであった...
海野十三 「第五氷河期」
...グッと重味がかかった...
海野十三 「人造人間殺害事件」
...胸と腹とは信一の生暖かい体の重味を感じている...
谷崎潤一郎 「少年」
...落日の徳川の親藩としてのこの名城の重味やいかに...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうしても人間相当の重味のあるものが充実していなければ...
中里介山 「大菩薩峠」
...然しこれは今述べたようにこの大芝居に重味をつけるためのインチキに過ぎぬ...
久生十蘭 「魔都」
...煉瓦の重味(おもみ)に潰(つぶ)されはせぬかと...
ボレスラーフ、プルース 二葉亭四迷訳 「椋のミハイロ」
...背中の葛籠の重味にわづかばかりの生心地をつなぎながら...
牧野信一 「鬼の門」
...その軽さに重味を加へたいやうな気がした...
牧野信一 「公園へ行く道」
...どうやらこの重味には星に準ずる運行も見出せぬではないか...
牧野信一 「凩日記」
...というのはこの坂にさしかかると懐中(ふところ)の金袋の重味でさえも荷になって投げ棄ててしまいたくなる程の困難な煩らわしい急坂だからである...
牧野信一 「ゼーロン」
...重味を補ふための皮のバンドを十文字に背中に結びつけて...
牧野信一 「痴酔記」
...重(おめ)えを証拠に取りちがへ」にて重味をひく手振を右の手にてなす...
三木竹二 「いがみの権太」
...切り下げの白っぽい着物の上に重味のありそうな羽織を着た年寄りのわきにぴったりとついて長い袂の大きな蝶の飛んで居る着物にまっ赤な帯を小さく結んで雪踏(せった)の音を川の流れと交って響かせて行く若い女の様子を仙二は恐ろしい様な気持で見た...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...そして文筆も必して商売的でなくみっちりと重味のある考え深いしまった調子で書かなければなりません...
宮本百合子 「現今の少女小説について」
...決してそれの深味や重味に負けていないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...船だってただ自分の重味だけでは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...柔らかではありながらなお弾力と重味とを欠かない性質も...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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