...皆もその重味をもつた気持のいゝアルトで歌ふやうにその唇からすべり出す外国語はその発音に於てもすべての点で校長先生のそれよりもずつと洗練されてゐて...
伊藤野枝 「惑ひ」
...そこにひとつの重味のある沈黙というものを示していた...
大島亮吉 「涸沢の岩小屋のある夜のこと」
...何カ鉄板ノヨウナ重味ノアルモノガ足ノ裏ヘペッタリ貼リ着イテイル感ジデアル...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...腰にさげたやや重味のある袋を出して惣太に取らせる...
中里介山 「大菩薩峠」
...背中にはかなり重味のある荷物を背負(しょ)っています...
中里介山 「大菩薩峠」
...ずしりとかなりな重味です...
中里介山 「大菩薩峠」
...然しこれは今述べたようにこの大芝居に重味をつけるためのインチキに過ぎぬ...
久生十蘭 「魔都」
...金粉の重味が両方にかかるような仕掛になっていて...
久生十蘭 「魔都」
...斯う見るからに信頼されさうな重味のある声を出して見ようかな?)彼は...
牧野信一 「鏡地獄」
...更に苦しい重味を覚えた...
牧野信一 「競馬の日」
...どうやらこの重味には星に準ずる運行も見出せぬではないか...
牧野信一 「凩日記」
...夢うつゝのなかにれきろくたる轍の音を耳にしながら微かな彼女の重味を片脇に感じて手綱を執つてゐる小生の魂は...
牧野信一 「女優」
...骨董品のやうな重味を持つた立派やかな太鼓で...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...部屋部屋には一通の仲々重味ある家具まで配置されてゐた...
牧野信一 「痴日」
...田甫をよ切つて相当の道程を駆けつけて来た後の甲冑の重味が身に応へてフラ/\として来たところで...
牧野信一 「鎧の挿話」
...然し何となくその語調に重味のない所などが彼女の亭主としては物足らぬ感じもした...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...十分な重味を持たないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...(b)わたしは重味*によって読者の注意をひき止めることができないのだから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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