...」その重厚な学生も...
太宰治 「正義と微笑」
...将軍家の重厚なお顔だちに較べると少し華奢(きゃしゃ)に過ぎてたよりない感じも致しましたが...
太宰治 「鉄面皮」
...雨上りのせいもあろうが、樹木の緑の色がいかにも落着いた、重厚な、しかも美しい暗緑色をしている...
寺田寅彦 「札幌まで」
...自然科学関係のもの(例えば『岩波全書』)が多数出版されて重厚な読者層を見出しつつあることは...
戸坂潤 「読書法」
...その筆致は重厚な威容を持っている...
戸坂潤 「日本の頭脳調べ」
...四年には重厚なる褐色(代赭(たいしゃ))を用ゆる事その板画の特徴となりぬ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...同じ屋根の下でも階下に寢てゐたお鶴坊が知らないくらゐですから」靜かな調子と重厚な感じの物腰が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大空から重厚な雨雲が落下して...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...不思議に重厚な感じのする生と死との絨毯(じゅうたん)の前にあっては...
堀辰雄 「菜穂子」
...そのことは作品の自然さと重厚な真実性とをもたらしているのであるけれども...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...字にもう少し重厚な気が添えたいと芸術家的な好みを持っておいでになる宮はお思いになったようであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...もとから重厚な所の少ない性質のこの人は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...夜の世界を守護している重厚な神に似ていた...
横光利一 「旅愁」
...武田方のこの時の陣形はいわゆる魚鱗十二段の重厚な構えであるから...
吉川英治 「上杉謙信」
...重厚な陣形を作って徐々と内城の大手へ迫った...
吉川英治 「三国志」
...陸遜の重厚な陣線がある...
吉川英治 「三国志」
...二本松を中心とする重厚な鉄の陣地...
吉川英治 「私本太平記」
...あたかもそこに重厚な絵の具をぬりつけたような...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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