...将軍家の重厚なお顔だちに較べると少し華奢に過ぎてたよりない感じも致しましたが...
太宰治 「右大臣実朝」
...重厚な器具類のみが恐らくは必要以上に備えてある...
豊島与志雄 「秦の出発」
...それに風間(かざま)氏の重厚な訳もよかった...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...其處に重厚な好所(かうしよ)があるとすれば...
夏目漱石 「子規の畫」
...ビクターのブッシュ四重奏団の重厚な良さがそれに次ぐだろう(JD一〇三一―四)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...これが?」重厚な左京路之助も...
野村胡堂 「古銭の謎」
...生前アンドレ・ドランの重厚な...
堀辰雄 「おもかげ」
...なかなか重厚な好みだな...
堀辰雄 「雪の上の足跡」
...就中その風景描写に於いて読む者の胸に颯々重厚なる風韻を通はしめずには置かない稀なる感慨を誘はれるものであつた...
牧野信一 「浪曼的時評」
...この画に金箔は重要な画面の一つの支え重厚な一要素となっているのであって家鴨だけであったら決して効果は出ないし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...肥えた、背丈の低い、精悍(せいかん)な躯つきだし、眉の太い、眼や口の大きな顔にも、商人というには逞(たくま)しすぎる、重厚な、つらだましい、といったものが感じられた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...重厚すぎるほど重厚な人だったが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...セーヌ河の重厚な欄壁の間を流れる水を思い泛べた...
横光利一 「旅愁」
...その重厚な陣、ねばり強い戦闘力、到底、許都の軍勢の比ではない...
吉川英治 「三国志」
...彼は余りにその重厚な軍容のうちに安心していたのである...
吉川英治 「三国志」
...二本松を中心とする重厚な鉄の陣地...
吉川英治 「私本太平記」
...しかし重厚な眉がこういうときの意志を支えていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...きのうに懲(こ)りたので今日はいちばい重厚な構えで“五雲(うん)十風(ぷう)ノ陣”が組まれた...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索