...将軍家の重厚なお顔だちに較べると少し華奢に過ぎてたよりない感じも致しましたが...
太宰治 「右大臣実朝」
...雨上りのせいもあろうが、樹木の緑の色がいかにも落着いた、重厚な、しかも美しい暗緑色をしている...
寺田寅彦 「札幌まで」
...重厚な器具類のみが恐らくは必要以上に備えてある...
豊島与志雄 「秦の出発」
...ポリドールのケンプもドイツ臭い重厚な良いものだ(三〇一〇八―九)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...重厚な口調でいった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...その下のほうに重厚な筆蹟で献辞らしいものが二三行ばかり書きつけてあるのだが...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...不思議に重厚な感じのする生と死との絨毯(じゅうたん)の前にあっては...
堀辰雄 「菜穂子」
...重厚な家具が道路へ吹っ飛んだかと思えば...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「見えざる力」
...それはこの作者の現実認識の眼がガッシリと重厚なこと...
三好十郎 「恐怖の季節」
...重厚などという美質は...
矢部貞治 「政治学入門」
...押しても突いても動かない重厚な力感にあふれていた...
山本周五郎 「おれの女房」
...この葉の群生の仕方は重厚な建物の線といかにもよく調和している...
横光利一 「欧洲紀行」
...夜の世界を守護している重厚な神に似ていた...
横光利一 「旅愁」
...すべてが重厚な色と匂いをもって装飾されていた...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...重厚な備えで奔出してきた...
吉川英治 「新書太閤記」
...重厚な戦列を押し出していた...
吉川英治 「新書太閤記」
...重厚なる風格において...
吉川英治 「新書太閤記」
...あたかもそこに重厚な絵の具をぬりつけたような...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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