...重ね重ね思いやりがなさ過ぎるのに又しても忿懣(ふんまん)を覚えながら...
谷崎潤一郎 「細雪」
...どうぞ今夜の約束はこのお方でのうて私に対して違(たが)えんようにしておくれやす」と主人は重ね重ね念を押していった...
近松秋江 「霜凍る宵」
...重ね重ね注意すべきは...
戸坂潤 「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」
...兵馬は重ね重ね、苦々しい思いに堪えられないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...重ね重ね、呆(あき)れ果てている白雲も、玉蕉女史も、事の仔細は紛糾交錯(ふんきゅうこうさく)して何だかわからないが、そう言われてみると、自分たちは、たしかに岸を離れること遠きに過ぎたという感じだけは取戻しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...重ね重ね変な境に追い込まれたものだなんぞと考えているうちに...
中里介山 「大菩薩峠」
...重ね重ね失礼ですが...
野村胡堂 「天才兄妹」
...……何しろ、重ね重ねなので、さすがの私も勘弁ならなくなりました」と、いって、あたかも目ざす人間がそこにいるかのように、握り拳を空の方に突出した...
久生十蘭 「魔都」
...かつて米国遊学中の同窓の友なれば重ね重ね便宜ありと勇みすすみて...
福田英子 「妾の半生涯」
...「重ね重ね今晩のトリックはお詫びします...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...いけねえ重ね重ねだ...
正岡容 「圓太郎馬車」
...「重ね重ね奇怪だ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...前(さき)の女子来て例の門に将(つ)れ出で眠らせて池辺に送り出し重ね重ね礼を述べて消え失せた...
南方熊楠 「十二支考」
...これが何で五大国の一かと重ね重ね怪しまるるほど日本人の実価が下ったように思う...
南方熊楠 「十二支考」
...一昨年以来重ね重ねの不作でござります...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...重ね重ねよい事を聞きました...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...重ね重ねの恩を謝し...
吉川英治 「三国志」
...この苛烈を肝(きも)に銘じていながら曹真の軽挙はふたたび重ね重ねの惨敗を自軍に見てしまった...
吉川英治 「三国志」
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