...さて/\凝りしものかな、とは思ふものゝ、何と無く気乗りせず、返事は晩にせんと、其のまゝ揃へて、又机の上に重ぬ...
石井研堂 「元日の釣」
...年を重ぬるに従つて段々愚かさが増して来た...
石川啄木 「葬列」
...回を重ぬる六十回...
石川啄木 「鳥影」
...かく苦悩を重ぬるよりは神を棄つるの勝れるに如(し)かずと...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...盛春館の女將とも屡會見を重ぬるに從つて其親切を疑はうとしても疑ふ事は出來なかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...不忠を重ぬる業(わざ)とも知らで...
高山樗牛 「瀧口入道」
...元バルセローナ銀行頭取ロドリゲス・アレサンドロ氏の法廷における陳述は回を重ぬるに従いいよいよ奇怪を極め...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...さらずば或者は疵又疵を重ぬべし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...盃を重ぬべく挨拶して立つ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...世間は名誉と幸福とをその上に積み重ぬるとも...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...着物を重ぬるに従って...
豊島与志雄 「生あらば」
...月を重ぬるに従って敵対は大となり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その給金が段々と年を重ぬるに従って増して行く...
新渡戸稲造 「教育の目的」
......
野口雨情 「枯草」
...かかる心われにもやどりかげはかげを重ぬるかくて秋日を忘(ばう)じたるごとく端然とわが座りてゐる...
室生犀星 「忘春詩集」
...疑問に疑問を重ぬるのみ...
夢野久作 「暗黒公使」
...これの冊子(さうし)のめでたさよ百に重ぬる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...かの君の死の知らせをばもたらして秋はかなしく訪れて来ぬ死は悲しながき別れの死は悲し短きわかれにしも泣く身に生きてまた君を見るべき時なきかかく歎きつつ杯を取る杯を重ぬるごとにかなしみも重なりてゆくここちするかな酔狂の子とは呼べどもわがことを恋に狂ふと云ふひともなし...
吉井勇 「酔狂録」
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