...お肚(なか)の中ではね……オホホホホホ」と妻は耳輪を重たげに檜扇(ひおうぎ)で口許を掩(おお)って...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...やや重たげな眼瞼(まぶた)の上のすっきりした眉(まゆ)...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...常盤木の枝重たげなのも美しい...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...たった一本の煙草をさも重たげに指に挟むと...
原民喜 「真夏日の散歩」
...赤い光までなんとなく重たげだつた...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「旗手クリストフ・リルケ抄」
...あまり重たげな杖を切るのも鬱陶し過ぎたので...
牧野信一 「剥製」
...それはチサノキすなわちエゴノキの下垂している花に露が宿れば無論重たげになるのは必定ではあれど...
牧野富太郎 「植物記」
...ユリの茎(くき)が高く延(の)びて重たげに花が咲き...
牧野富太郎 「植物知識」
...いつでも純粋生産ののぞきからくりを重たげにかついでくる彌勒は...
槇村浩 「華厳経と法華経」
...項(うなじ)の下のほうまで重たげに垂れている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...東の空を重たげに塞(ふさ)いでいた...
山本周五郎 「山彦乙女」
...雲鬢(うんびん)重たげに...
吉川英治 「三国志」
...ふつつか者でございますが」鬢(びん)の簪(かざし)を重たげに...
吉川英治 「新・水滸伝」
...つづいて夜露に濡れて汚れた軌(わだち)が重たげに転(まわ)りだす...
吉川英治 「親鸞」
...なにやら重たげな包みを確乎(しっか)と背負っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...今窓外には蒼白い百合の花が頭を重たげに咲いていますが...
蘭郁二郎 「歪んだ夢」
...重たげに有史以前の思想で目方のついている犁牛(ヤーク)を見に行ってやりたまえ...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
...重たげに飛んで行く...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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