...重々しい鉄扉(てっぴ)がときどき開かれたが...
海野十三 「空襲葬送曲」
...迚(とて)も常談(じょうだん)などとは思えない重々しい喋り方だ...
江戸川乱歩 「悪霊」
...あるいはその人かもしれない――」重々しい足取りが...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...それから重々しい冷笑の調子をとった...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...さらさらした糸杉の香気に交って日向(ひなた)に漂ってる重々しい匂いが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...郊外の諸工場の悪臭と都会の重々しい息とが混和してる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...灰白色の中に鈍銀の針を包み込んだ重々しい而も冷かな大気が...
豊島与志雄 「未来の天才」
...」と花子は出来るだけ重々しい調子で...
永井荷風 「来訪者」
...法においても戦うつもりだ』白水がその重々しい論調で...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...重々しい声がおさえつけるように...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...長広幸人の重々しい印象にひきかえて...
原民喜 「翳」
...声ははっきりしない震え声(活気がまるで無いように思われるときの)から急に、酔いつぶれてしまった酔いどれや手のつけられぬ阿片喫煙者などの極度の興奮状態にあるときに認められるような、あの力のある歯切れのよい声――あの突然な、重々しい、落ちついた、洞声(うろごえ)の発音――鈍い、よく釣(つ)りあいのとれた、完全に調節された喉音(こうおん)――に変ったりした...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...それは女の声らしく、音楽的ではあるが、世間でいう美声(いいこえ)とも少し違った、重々しい、おだやかな声でした...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...憲法という重々しい漢語を用うると...
穂積陳重 「法窓夜話」
...重々しい態度をして入らしったが...
堀辰雄 「ほととぎす」
...気取り込んだ重々しい声色で...
牧野信一 「変装綺譚」
...支那(しな)の東京錦(とんきんにしき)の重々しい縁(ふち)を取った褥(しとね)の上には...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それもそうだが」金太は口も重いがまた思慮にも重々しいところがあった...
山本周五郎 「長屋天一坊」
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