...矢張里方(さとかた)の娘の儘(まんま)で押通してゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...今日自分の宅(うち)へ行ってさえ黙ってるくらいですもの」上(あが)り口に待っていた車夫の提灯(ちょうちん)には彼女の里方(さとかた)の定紋(じょうもん)が付いていた...
夏目漱石 「行人」
...貞淑(ていしゆく)の譽高い方ぢや」「お里方は?」「西久保町の矢吹樣...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...泣く/\新茅場町の里方へ歸り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その晩市ヶ谷の月岡某の浪宅――堀江頼母(たのも)の奧方の里方に集まつたのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私はこれらの事についてしばしば漏らした不平や反抗に対して貴方はあるいは離別するとか里方(さとかた)に預けるとか申されて実に冷酷な態度を取られた事をお忘れにはなりますまい...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...そのうちにみそのが疳癪を起してじたばたと里方へ走つた...
牧野信一 「淡雪」
...町端れの里方へ梶先を向けさせた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...」「里方にまいっては何故(なぜ)わるいことになるのです...
室生犀星 「花桐」
...尾藤の母親も国の里方へ返されたのである...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...里方は深川木場の遠州屋太右衛門である...
森鴎外 「細木香以」
...里方から子供に衣類を貰ふのでさへ...
森林太郎 「高瀬舟」
...里方(さとかた)に帰ってする習わしに伴のうていたようだが...
柳田国男 「海上の道」
...母親はそのまま里方で亡くなったが...
柳田国男 「故郷七十年」
...後に北荘は里方と山方の二つに分れ...
柳田國男 「地名の研究」
...良人と里方の者との融和を見ながら...
吉川英治 「私本太平記」
...里方へ帰らせていただきまする」「……帰る?」頼朝は...
吉川英治 「源頼朝」
...小田原藩で五石十人扶持の小身だった父の里方とは...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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