...あの容貌の醜い若者の足もとに近く転げ落ちた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...死を連想させるような醜い美しさが耳の付け根までみなぎっていた...
有島武郎 「或る女」
...醜い顔をいっそうゆがめて...
海野十三 「怪星ガン」
...見てゐても醜いが...
薄田泣菫 「茶話」
...生れながらに醜い...
太宰治 「善蔵を思う」
...賤(いや)しい醜い年増女(としまおんな)の顔もあった...
田中貢太郎 「切支丹転び」
...彼自身を――その醜い容貌を――最も憎み嫌った...
中島敦 「プウルの傍で」
...『馬鹿な、馬鹿な‥‥‥』と、私は自分の醜い、不愉快な、瞬間に卷き起つて來た疑惑を抑へようとした...
南部修太郎 「疑惑」
...親分さん」熊吉は醜い顔を歪(ゆが)めました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...けれども私たち男の心はまづしくいつも悲しみにみちて大きな人類の寢臺をもとめるその寢臺はばね仕掛けでふつくりとしてあたたかいまるで大雪の中にうづくまるやうに人と人との心がひとつに解けあふ寢臺かぎりなく美しい愛の寢臺ああ どこに求める 私たちの悲しい寢臺があるかどこに求める私たちのひからびた醜い手足このみじめな疲れた魂の寢臺はどこにあるか...
萩原朔太郎 「青猫」
...老いて生きるということは醜いことだ...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...この醜い頤ばたきをごまかしたいと思ひながら...
牧野信一 「歌へる日まで」
...それは下等で醜いということを知っています...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...決して醜い男だとは見えない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それは醜いといえば極端に醜くかった...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...ちっとも醜いとは云われまい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...否醜い手工藝も同時に激増するであろう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...生涯その醜い争いに憂身(うきみ)をやつしていなければ...
吉川英治 「親鸞」
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