...あの女が、――現在養父にさえ、身を任せたあの女が、あばたのある、片目の、醜いおれを、日にこそ焼けているが目鼻立ちの整った、若い弟に見かえるのは、もとよりなんの不思議もない...
芥川龍之介 「偸盗」
...見るから醜い新聞であつた...
石川啄木 「菊池君」
...醜い乞食の女は、流れた血を拭かうともせず、どんよりとした疲労の眼を怨し気に(みは)つて、唯一人残つた私の顔を凝(じつ)と瞶めた...
石川啄木 「二筋の血」
...生れたままの顔というものはどんなに醜くても醜いなりの調和がある...
伊丹万作 「顔の美について」
...」と喪くなった醜い犬を追懐して惻々(そくそく)の情に堪えないようだった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...……醜い自分を自分で恥ぢた...
種田山頭火 「其中日記」
...多くの悲しい醜い事柄を人から示されるのを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...唇は醜い...
豊島与志雄 「裸木」
...醜い面をしていたか...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたしの醜いところが全く見えないで...
中里介山 「大菩薩峠」
...ナポレオン少年の顔は別に醜いという訳ではない...
中島敦 「環礁」
...軟弱の徒(と)には緩慢なじめじめした醜い苦しみが...
中島敦 「李陵」
...恥や外聞の醜い殻を石に打とう...
オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 「ルバイヤート」
...醜い...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それゆえそれらの窯では不思議にも皆美しいものと醜いものとを同時に焼く...
柳宗悦 「雲石紀行」
...その理(わけ)をいうてみなされ」「醜い――恥かしい――それはもう上人様のまえで申すも面映(おもは)ゆいことでござりますが...
吉川英治 「親鸞」
...徒(いたず)らに泣き狂ったり醜い嫉妬(しっと)は口走らなかったが...
吉川英治 「源頼朝」
...醜い死屍(しかばね)を...
吉川英治 「宮本武蔵」
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