...醜(みにく)い神のような顔であった...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...いつまでもその醜い残骸(ざんがい)をとどめて...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...眼光(めつき)と様子がとても醜い...
魯迅 井上紅梅訳 「狂人日記」
...ポチも自身の醜さを忘れて...
太宰治 「畜犬談」
...醜(みに)くい想像からでき上った雲の峰同様に...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...美しきも醜きも一呑みに呑みつくして...
樋口一葉 「花ごもり」
...大急ぎに醜業(ブゾオニュ)を片づけ...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...ロマンチツクの人々が、敢へて文学作品の題材にし得なかつたであらうやうな、生々しい、醜悪な題材が、自然主義文学者には平気でとりあつかはれた...
平林初之輔 「文学方法論」
...その実は無辜(むこ)の小児を勧めて醜体に導くものなり...
福沢諭吉 「教育の事」
...一月二十一日(火曜)晴後雨伊豆山桃李境、養老の間に眠り、夜半、小便に起き、便所が入口にあるのを忘れて、廊下へ出て迷ひ、部屋へ戻って漸っと気がつき、あはてゝ小便する前に、もう洩れちまってた、醜態...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...公爵夫人(こうしやくふじん)が甚(はなは)だ醜(みにく)い容貌(ようばう)でしたから...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...まざまざとその醜さを見せつけられる時...
柳宗悦 「工藝の道」
...色白で大柄な美しい姉とは、似ても似つかぬ不器量な、醜い顔...
山川方夫 「歪んだ窓」
...――醜態だ、なんということだ...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...その間じゅう私は、自分のノッポも、醜さも、火星の女である事も何もかも忘れて、何となく皆さんとお名残が惜しい気持が致しますままに、出来るだけ大勢のお友達と顔を見合って、笑い合って、手を取り合ってなつかしみ合ったのですが、あの一時間こそは私の一生涯のうちでも、やっと人間らしい気持のした、一番楽しい一時間だったのでしょう...
夢野久作 「少女地獄」
...ただあの醜い花子を美しく包装しただけであって...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...私は自分の内に醜く弱くまた悪いものを多量に認める...
和辻哲郎 「「ゼエレン・キェルケゴオル」序」
...種姓も美醜も、階級の貴賤も、官位も長幼も、すべて人の貴さには関するところがない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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