...」朱雀綾小路(すざくあやのこうじ)の辻(つじ)で、じみな紺の水干(すいかん)に揉烏帽子(もみえぼし)をかけた、二十(はたち)ばかりの、醜い、片目の侍が、平骨(ひらぼね)の扇を上げて、通りかかりの老婆を呼びとめた...
芥川龍之介 「偸盗」
...自分の醜さにまごつくのです...
太宰治 「風の便り」
...あとでどんな醜聞が起こるか...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」これを読む人は、わたくしが溝の臭気と、蚊の声との中に生活する女達を深く恐れもせず、醜いともせず、むしろ見ぬ前から親しみを覚えていた事だけは推察せられるであろう...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...醜悪な人間が奏(かな)でる...
中里介山 「大菩薩峠」
...大柄でそんなに醜くはありませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お陰で私はきっと醜くなってしまうわ」「おー! そんなことはあり得ません」学生が言った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...醜悪きはまる化生のものが彼の眼前を群れをなして駈けまはつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...彼奴は僕の姉に参つてゐやがつてね、とても醜態だぜ、君、一度見に来て見ないか...
牧野信一 「塚越の話」
...愚なる言葉も醜い言葉もみな一様に栄え茂っているから...
三木清 「私の果樹園」
...どこもかしこも醜い女もないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...原作は別として、あの「沓形(くつがた)」と称する茶碗の如き、醜の醜である...
柳宗悦 「工藝の道」
...それが酵す醜悪について...
柳宗悦 「工藝の道」
...そうして再び醜が不可能となる世界の再建を求めた...
柳宗悦 「工藝の道」
...醜い品があり得なくなるのは...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...醜い点は男より少いかも知れません...
与謝野晶子 「産屋物語」
...文醜は、一躍さがって鉄弓を鞍にはさみ、大剣を横に払って、苦々(にがにが)と笑った...
吉川英治 「三国志」
...まともな信条を遥かに超越した実行者による醜怪かつ邪悪な一種の実験なのだろうか? 心弱い時に私の中にあったのは...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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