...又一瞬間の様にも思われるのだが諸戸の狂気の様な叫声に私はふと目を醒(さま)した...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...社交界の笑われ者……ぶざまな道化の不具者!夢から醒めたように淋しく爪を噛みながら...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...眼醒めんばかりあざやかな全裸の姿態が今私の前に佇んでいるのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...河野は夢から醒(さ)めたように体の疲労がとれてしまった...
田中貢太郎 「神仙河野久」
...その記憶の覚醒が来ると同時に石にでも打たれたやうにはつとして立留つた...
田山録弥 「父親」
...いつ迄もいつ迄も死ぬるまで醒めないでほしゅうございます...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...「……もの醒めた...
中井正一 「物理的集団的性格」
...酒はとっくに醒(さ)めている...
中村地平 「霧の蕃社」
...もう発作から醒めたように澄まし返って...
牧逸馬 「双面獣」
...仏経には釈尊が弟の難陀その妻と好愛甚だしきを醒(さ)まさんとて彼女の瞎(めっかち)雌猿に劣れるを示したと出づ...
南方熊楠 「十二支考」
...男もこの時漸(ようや)く夢が醒めたように身体(からだ)も軽くなったので...
柳川春葉 「一つ枕」
...ましてや一たび酔うて今は醒(さ)めているという類(たぐい)の旅人であったならば...
柳田国男 「木綿以前の事」
...『醒睡笑(せいすいしょう)』という書にも見えている...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...眼が醒めると、「サア...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...正木博士はその騒ぎでやっと眼を醒ましたものと見えまして...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...丁度今ごろ母は夜中に眼が醒めて明日の方角のことを考えている最中だろうと思った...
横光利一 「旅愁」
...鏡子は周章(あわたゞ)しい世界へ帰つて来たと夢から醒めた時のやうな息をして子供達を見て居た...
與謝野晶子 「帰つてから」
...江上(こうじょう)でいちど醒(さ)めた酔いがぱっと出て...
吉川英治 「新・水滸伝」
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