...「このサラダは愛ねえさんがお醋(す)とオリーブ油を間違って油をたくさんかけたからきっと油っこくってよ」愛子はおだやかに貞世をにらむようにして...
有島武郎 「或る女」
...上って来たのは糖醋鯉魚(タンツーリーギョ)です...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...すなわち醋酸銅(さくさんどう)を醋酸に溶かしたものに植物を浸せば...
寺田寅彦 「話の種」
...飲物は酪漿(らくしょう)と獣乳と乳醋酒(にゅうさくしゅ)...
中島敦 「李陵」
...自分は既に八瀬尾の谷を辭する積りであつたがお秋さんが自分の爲めに特に醋酸曹達を造つて見せるといふ事であつたから一日延すことにしたのである...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...これは食料の醋酸を造る原料である...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...醋酸石灰でも曹達でも特別の技倆があるので其製品は名人で賣り出されて居るのであるが...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...背中の甕(かめ)の中には木醋から採つたアルコールが入れてあつたので...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...艶(えん)なる人の眉をあつめたるは愛嬌(あいきょう)に醋(す)をかけたようなものである...
夏目漱石 「野分」
...彼は醋(す)の臭のする黄色いどろどろしたものを毎日局部に塗って座敷に寐ていた...
夏目漱石 「道草」
...主人のごとくこんな利目(ききめ)のある薬湯へ煮(う)だるほど這入(はい)っても少しも功能のない男はやはり醋をかけて火炙(ひあぶ)りにするに限ると思う...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...それの醋(す)が醗酵(はっこう)するまで...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...それは鮓の素(もと)であるところの、醋の嗅覚や味覚にも関聯(かんれん)しているし、またその醋が、暗所において醗酵する時の、静かな化学的状態とも関聯している...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...ああ、いまし我の輝やく金屬の手に注げ、手は疾患し、醋蝕し、するどくいたみ針の如くになりて、觸るるところ、この酒盃をやぶり汝のくちびるをやぶるところの手だ...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...すえたる菊その菊は醋え...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...鮨といふものは醋につけた魚を背負つた米の飯だよといふと...
二葉亭四迷 「旅日記」
...そしてこれを食うには三杯酢あるいは薑醋(しょうがず)にすればよい...
牧野富太郎 「植物記」
...グラフィーラは醋酸を飲んだのである...
宮本百合子 「「インガ」」
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