...「その代わりわたしがまたお醋(す)をあとから入れたからすっぱすぎる所があるかもしれなくってよ...
有島武郎 「或る女」
...軍医補が醋酸を加えた粘土をつけてやりました...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...戸棚のなかから醋(す)を茶碗に汲んで...
徳田秋声 「足迹」
...醋(す)ニ陳新ノ殊アリ...
中里介山 「大菩薩峠」
...お秋さんは一人で醋酸石灰――之はどういふものかといふと炭竈の煙を横につないだ土管のなかを濳らせれば...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...これへ石灰を中和して仕上げたのが醋酸石灰で曹達(ソーダ)で仕上げたのが醋酸曹達となるのだ...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...自分は既に八瀬尾の谷を辭する積りであつたがお秋さんが自分の爲めに特に醋酸曹達を造つて見せるといふ事であつたから一日延すことにしたのである...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...醋酸石灰でも曹達でも特別の技倆があるので其製品は名人で賣り出されて居るのであるが...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...背中の甕(かめ)の中には木醋から採つたアルコールが入れてあつたので...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...艶(えん)なる人の眉をあつめたるは愛嬌(あいきょう)に醋(す)をかけたようなものである...
夏目漱石 「野分」
...彼は醋(す)の臭のする黄色いどろどろしたものを毎日局部に塗って座敷に寐ていた...
夏目漱石 「道草」
...そこでハンニバルはこの大きな岩へ醋(す)をかけて火を焚(た)いて...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...そのだらけ切った江戸の町人に三斗(さんど)の醋(す)を喰わせたのでした...
野村胡堂 「礫心中」
...ああ、いまし我の輝やく金屬の手に注げ、手は疾患し、醋蝕し、するどくいたみ針の如くになりて、觸るるところ、この酒盃をやぶり汝のくちびるをやぶるところの手だ...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...すえたる菊その菊は醋え...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...あわてて飮込んだので死んだと――飮込んだのは醋鮹(すだこ)だともいはれたが――甚(ひど)い惡阻ででもあつたのか...
長谷川時雨 「「郭子儀」異變」
...植物性物質の醋酸(さくさん)醗酵のために胃のなかに(あるいはまた別の原因のためにべつの体腔中に)ガスを発生して...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...胃袋へ流し込んだ醋酸の火傷がなおるにつれ...
宮本百合子 「「インガ」」
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