...恥しさうな微笑を酬いながら...
芥川龍之介 「舞踏会」
...さうして二十九の年の九月その戀は始めて或意味に於いて酬いられた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...その愛は酬いられなかった...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...読書子のために計る仕事は必ず酬いられるものであるとの確信を得た...
岩波茂雄 「岩波文庫論」
...さういふ人の同情に酬いる爲には私の繪がもう少し人の目にうまく見えなければ氣の毒だと思ふのであつた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...自らも亦自然科学から無縁なものとして取り扱われる酬いを持たねばならぬだろう...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...女がその恋に酬いなかった時...
中里介山 「大菩薩峠」
...固(もと)より大いに酬いる所があったが...
中島敦 「盈虚」
...いづれ良い酬(むく)いがあるよ」「酬いはテキメンで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こまか!団子をおくれ!お粥もたつぷり腸詰ひとつ!どつと笑ひ声がその剽軽者に酬いた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...もとより酬いは思わず...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...いますぐ自分に酬いられるとかいうことを考えなかった...
室生犀星 「幼年時代」
...兎に角茶山は此種々の贈遺に酬いむと欲した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...酬いとしてそれらの作をいや美しくする...
柳宗悦 「工藝の道」
...放蕩無頼の酬い、又は売国奴相当の末期とは申せ、一切の同情と庇護とを受くる資格を喪失すると同時に、拳銃(ピストル)と、麻縄と、毒薬と、短剣とに取り囲まれて遁(のが)るる途(みち)もなくなっておりながら、僅に残る未練から、せめて妻子だけは無事に生き残らせて、日本人らしい一生を送らせたいばかりに、かような苦しい手段を以て、極秘密の裡(うち)にこの遺書を貴下に呈上する事の止むを得ざるに立ち至りました...
夢野久作 「暗黒公使」
...そちには何をもって酬いようかな...
吉川英治 「三国志」
...しかしおれもまた彼に向って計をもって酬いてくれる所存だ...
吉川英治 「三国志」
...お酬いせねばなるまいが...
吉川英治 「柳生月影抄」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??